AI Overviewsとは?仕組み・SEOとの違い・自社サイトが引用されるための対策を解説

Webマーケティング
2026.09.06
2026.09.06

Googleで何かを検索したとき、検索結果の上にAIが生成した回答が表示される。

そんな検索体験が、すっかり珍しいものではなくなりました。

これが「AI Overviews(AIによる概要表示)」です。

AI Overviewsによって、Google検索は「検索結果から自分で情報を探す」ものから、「検索結果に表示されたAIの回答をまず読む」ものへと変わりつつあります。

これはユーザーにとっては、とても便利な変化です。

一方で、Webサイトを運営する側にとっては、かなり大きな変化でもあります。

なぜなら、ユーザーが検索結果から答えを得てしまえば、わざわざWebサイトを訪れる必要がなくなるからです。

実際、SparkToroがSimilarwebのデータをもとに行った調査によると、2026年1〜4月の米国Google検索では、検索後にどこもクリックせずに終わった「ゼロクリック検索」が68.01%に達しています。

つまり、これからの検索では「検索結果で上位表示されること」だけでなく、AIの回答の中で自社の情報が取り上げられることも重要になってきています。

この記事では、AI Overviewsとは何なのか、なぜ注目されているのか、そしてWebサイト運営者は何を考えておけばいいのかを整理します。

AI Overviewsとは?

これまでのGoogle検索では、ユーザーがキーワードを入力すると、そのキーワードと関連性の高いWebページが検索結果に一覧表示されました。

ユーザーはその中から気になるページを選び、クリックして情報を探します。

たとえば「AI Overviewsとは」と検索した場合、

  • AI Overviewsを解説する記事
  • Google公式の情報
  • SEO関連の記事
  • 専門家の解説

といったWebページが検索結果に並び、その中から自分で読むページを選ぶわけです。

ところがAI Overviewsでは、この情報の探し方が変わります。

Googleは検索されたキーワードをもとに、関連する情報を検索し、それらをもとにAIが回答を生成します。そして、その回答を検索結果ページ上に表示します。

つまり、これまでユーザーがやっていた、「検索する→検索結果を見る→ページを選ぶ→クリックする→情報を読む」という作業の一部を、AIが代わりにやってくれるわけです。

Google公式ブログの説明でも、AI Overviewsは、従来の検索では複数回の検索や追加のやり取りが必要だったような複雑な質問に対して、より簡単に情報を得られるようにする機能として紹介されています。

ユーザーからすると、非常に便利です。

検索結果を何ページも開いて、「結局知りたかった情報はどこに書いてあるんだ……」と探し回る必要がありません。

AIがある程度まとめてくれるので、その場で答えを得られます。

「ゼロクリック検索」が増えている

この変化を理解するうえで重要なのが、「ゼロクリック検索」という言葉です。

ゼロクリック検索とは、その名のとおり、検索結果からどのページもクリックせずに検索を終えることです。

これまでは、「Googleで検索する → Webサイトをクリックする → Webサイトを見る」という流れが一般的でした。

しかし、AI Overviewsなどによって、「Googleで検索する → AIの回答を読む → 検索終了」という行動が増えています。

もちろん、ゼロクリック検索がすべてAI Overviewsによって発生しているわけではありません。

Google検索には、AI以外にも検索結果だけで答えが分かる直接回答や各種情報ボックスなど、クリックを必要としない機能があります。

それでも、「検索結果の中だけで用が済む」検索が増えていることは、Webサイト運営者にとって無視できない変化です。

ユーザーには便利。でも、サイト運営者には悩ましい

AI Overviewsは、ユーザーの利便性を考えれば非常に合理的な機能です。

わざわざ複数のページを開いて情報を比較しなくても、AIが要点をまとめてくれる。

これは検索する側からすれば、ありがたい話です。

一方、Webサイトを運営する側からすると話は少し変わります。

せっかく時間をかけて記事を書き、SEOを頑張り、検索結果で上位表示されたとしても、ユーザーがAIの回答だけを読んで検索を終えてしまえば、サイトへのアクセスにはつながりません。

サイト内の導線をいくら丁寧に設計しても、そもそも入口から入ってきてもらえない。

これは、従来のSEOとはかなり違う問題です。

「記事を読んでもらえれば商品ページへ誘導できる」
「関連記事を読んでもらえれば、サイトへの理解を深めてもらえる」

そんなふうに考えてサイトを作り込んできた側からすると、「いや、その記事に来てもらえないんですけど……」という、なんとも切ない状況になりかねません。

だからこそ現在は、検索結果で上位表示するだけではなく、AI Overviewsの回答に自社サイトの情報が採用されることも重要になっています。

AI Overviewsは何のために導入されたのか?

では、なぜGoogleはAI Overviewsを導入したのでしょうか。

大きな目的のひとつは、やはり検索体験の利便性を高めることです。

従来の検索では、ユーザー自身が検索結果を見て、複数のページを開き、必要な情報を探す必要がありました。

AI Overviewsでは、その手間を減らし、検索結果の段階で情報を理解しやすくすることができます。

Googleは2026年にもAI OverviewsやAI Modeをアップデートしており、関連サイトへのリンクやオリジナルコンテンツを見つけやすくする機能なども強化しています。

詳しくは、Google公式ブログのAI検索に関する最新アップデートでも確認できます。

つまり、AI Overviewsは単に「AIが答えを出して終わり」という方向だけを目指しているわけではありません。

AIによる概要を入口にしつつ、必要に応じて情報源となるWebサイトへアクセスできるようにする方向にも進んでいます。

AI Overviewsに引用されることは、信頼性につながる?

もうひとつ重要なのが、情報の信頼性です。

AI Overviewsは、単純にAIが持っている知識だけを使って回答を作っているわけではありません。

先ほど紹介したGoogle公式ブログによれば、AI OverviewsはGoogleの検索ランキングシステムと統合されており、検索インデックスから関連性や品質の高い情報を探す仕組みが組み込まれています。

そのため、自社サイトの情報がAI Overviewsの回答に引用されれば、「この情報はAIが回答を生成する際の情報源として採用された」という意味を持ちます。

もちろん、「AIに引用された=絶対に正しい情報」と考えるのは危険です。

後述するように、AIが情報を誤って解釈する可能性もあります。

ただ、情報発信者にとって、AI検索の中で自社の情報が参照されることには一定の価値があります。

AI Overviewsに自社サイトの情報を採用してもらうには?

ここで気になるのが、「では、どうすればAI Overviewsに自社サイトの情報を採用してもらえるのか?」という点です。

結論から言うと、現時点では「これをやれば必ず掲載される」という確立された攻略法はありません。

そもそもGoogleは、AI Overviewsに採用されるための具体的なアルゴリズムを公開しているわけではありません。

そのため現状では、従来のSEOで重要とされてきた要素をベースに、AI検索を意識した情報設計を行っていくことになります。

構造化データを適切に設定する

まず考えたいのが、構造化データです。

構造化データによって、ページにどのような情報が書かれているのかを検索エンジンに伝えやすくできます。

AI Overviewsだけを狙って特別なことをするというより、検索エンジンがコンテンツを正しく理解できる状態を作るという基本を丁寧に行うことが重要です。

FAQ形式で情報を整理する

FAQ形式で情報を整理することも有効です。

たとえば、

Q. AI Overviewsとは?
A. Google検索に表示されるAIによる概要です。

というように、質問と回答を明確にする。

この形式ならユーザーにとっても読みやすく、検索エンジン側から見ても「このページはこの質問に答えている」という関係性を理解しやすくなります。

もちろん、FAQを置けばAI Overviewsに掲載されるという単純な話ではありません。

大切なのは、ユーザーが実際に知りたいことに対して、明確な回答を用意することです。

E-E-A-Tを意識する

そして、これまでのSEOでも重要だったE-E-A-Tは、AI検索を考えるうえでも重要な要素です。

E-E-A-Tとは、

  • Experience(経験)
  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威性)
  • Trustworthiness(信頼性)

の頭文字を取ったものです。

特に専門性や実績、経験など、「誰が、どのような根拠をもとに情報を発信しているのか」が分かる状態を作ることは重要です。

たとえば、

  • 執筆者のプロフィール
  • 実務経験
  • 資格や実績
  • 専門分野
  • 情報の根拠や出典

などを明確にする。

「なんとなく詳しそうなサイト」ではなく、「このテーマについて、この人・この会社が語る理由がある」サイトにすることが大切です。

関連記事をつなげて情報を体系化する

情報の網羅性も重要です。

ひとつの記事ですべてを説明しようとするのではなく、関連するテーマの記事を作り、それらを内部リンクでつなげていく。

たとえば「SEO」という大きなテーマがあるなら、

  • SEOとは
  • キーワード選定
  • 内部リンク
  • 構造化データ
  • E-E-A-T
  • コンテンツ制作

といった関連テーマをそれぞれ掘り下げていく。

こうすることで、サイト全体としてそのテーマについて体系的に情報を発信していることが伝わります。

これもAI Overviewsだけのための特殊な施策というより、良質なWebサイトを作るための基本を、より丁寧に実践するという考え方に近いでしょう。

AI Overviewsに採用されても、アクセスが増えるとは限らない

ここは、Webサイト運営者として特に注意しておきたいところです。

AI Overviewsに自社サイトが引用されたからといって、必ずサイトへのアクセスが増えるわけではありません。

むしろ、AIが検索結果の中で情報を要約してくれることで、ユーザーはそこで満足してしまう可能性があります。

実際、先ほど紹介したSparkToroによる調査では、米国Google検索の68.01%がゼロクリックで終了していました。

また同じ調査で、AI Overviewsが20%以上の検索に表示されるようになっており、AI Overviewsが表示された検索ではクリック率が約60%低下するというAhrefsのデータも紹介しています。

つまり、AI Overviewsに自社サイトの情報が採用されたとしても、それがそのまま「サイトへのアクセス」という成果につながるとは限らないわけです。

そのため、AI Overviews対策を単純に「アクセスを増やす施策」と捉えるのは適切ではありません。

AIが間違った解釈をするリスクもある

もうひとつ、AI Overviewsには注意すべき点があります。

それは、AIが情報を誤って解釈する可能性があることです。

AIは複数の情報をもとに回答を生成します。

その過程で、元の情報にはなかった意味が付け加えられたり、文脈が変わったり、誤解を招く表現になったりする可能性があります。

すると、本来は正確な情報を発信していたにもかかわらず、AIによって少し違った意味で紹介されてしまうことがあります。

これは、情報の信頼性を高めるどころか、逆にブランドやサイトへの悪影響につながるおそれがあります。

「AIに引用されたから安心」と手放しで喜ぶのではなく、自分たちが発信している情報がAI検索の中でどう扱われているのかを確認する視点も必要です。

AI Overviewsの対策は、まだ「正解」がない

AI Overviewsへの対応が難しい理由は、まだ歴史が浅いことにもあります。

SEOには長い歴史があり、多くの検証や事例があります。

もちろん、現在でも「SEOの正解」が完全に分かっているわけではありません。

それでも、長年の経験から、

「こういうサイト構造がいい」
「こういうコンテンツが評価されやすい」
「こういう情報設計が必要」

といった知見はかなり蓄積されています。

一方、AI検索はまだ発展途上です。

どのような情報がどの程度AI Overviewsに採用されるのか、具体的なアルゴリズムが公開されているわけでもありません。

だから現時点では、SEOを捨てて「AI Overviews専用の何か」を探すより、SEOの延長線上で良質な情報を発信しつつ、AI検索での見え方を検証していくのが現実的です。

「検索上位を取ればOK」ではなくなっていく

AI Overviewsによって、検索という行為そのものが変わり始めています。

これまでのSEOでは、「検索結果で上位に表示されること」が非常に重要でした。

しかし、これからはそれだけではありません。

ユーザーが検索したとき、「自社サイトが検索結果に表示されるか」だけでなく、「AIが回答を生成するとき、自社の情報を参照してくれるか」という視点が加わります。

そして、その先には、

AIの回答を見たユーザーが、自社を選んでくれるか

という、さらに大きな問題があります。

検索の世界では、すでに「検索結果からクリックしてもらう」ことだけを考えていればいい時代ではなくなりつつあります。

AI Overviewsは、これからの検索をどう変えるのか

AI Overviewsは、ユーザーにとっては「検索の手間を減らしてくれる便利な機能」です。

一方、Webサイト運営者にとっては、「これまで当たり前だった検索流入の仕組みそのものが変わるかもしれない」という大きな変化です。

もちろん、「もうSEOは終わった」と考える必要はありません。

むしろ今必要なのは、検索の変化を前提に、SEOの考え方をアップデートすることです。

  • ユーザーにとって役立つ情報を作る。
  • 情報の根拠を明確にする。
  • 専門性や経験を伝える。
  • 関連する情報を体系的に整理する。
  • 検索エンジンにもAIにも理解しやすい形で情報を提供する。

やっていること自体は、これまでのSEOと大きく変わりません。

ただし、「最終的にユーザーがどこで情報を得るのか」が変わり始めているというのが、大きな違いです。

そして、この流れは今後も続く可能性が高いでしょう。

AI Overviewsが検索の中心的な存在になっていくのであれば、Webサイト運営者も今のうちから「AIにどう見つけてもらうか」「AIにどう理解してもらうか」という視点を持っておく必要があります。

検索して、検索結果をクリックして、Webサイトを読む。
そんな当たり前だった流れが、少しずつ変わっています。

AI Overviewsは、その変化を象徴する機能のひとつです。

だからこそ、AI Overviewsを単なるGoogleの新機能として見るのではなく、これからの検索体験そのものを考えるきっかけとして捉えることが重要です。

最後に、少しややこしい話です。SEOやAI検索について調べていると、「AIO」という略称を見かけることがあります。このAIOは、多くの場合、「AI Optimization(AI最適化/AI検索最適化)」を意味します。一方で、文脈によってはAI Overviewsの略称として「AIO」と書かれていることもあります。

つまり、AIO=AI Optimizationとは限りません。

AI検索についての記事やSNS投稿を見るときは、前後の文脈を確認して、どちらの意味で使われているのか判断する必要があります。AI関連の用語は、ただでさえアルファベットが多くてややこしいので、このあたりは少し注意しておきましょう。

この記事を書いた人
柴田 竹思

Webクリエイター/Web制作スタジオBamboo Works代表。日本縦断やカナダでの音楽活動、西アフリカの小学校支援を経てWeb制作へ。制作会社、大手アパレル、官公庁案件などを経験し、現在は中小企業・個人事業主のWeb運用を支援。「まず聞く」を大切に、その会社ならではの価値を掘り起こし、“もう一人のあなた”となるWebサイト制作を得意とする。