「検索上位」だけでは届かない。AIに選ばれるためのAEO / AIO対策

Webマーケティング
2026.08.31
2026.09.03

これまで、ネット検索は「キーワードを入力し、表示されたリンクの中から自分で答えを探す」行為でした。

しかしAIの登場により、その体験は大きく変わりつつあります。検索エンジンは関連ページを並べるだけでなく、複数の情報をもとにAIが要点を整理し、回答そのものを提示するようになりました。

ユーザーが担っていた「情報を選び、読み比べ、答えを得る」という工程を、AIが一部引き受けるようになったのです。

AIで検索はどう変わったのか?

従来の検索では、検索結果の上位に表示されることが、サイトへのアクセス獲得に直結しやすい構造でした。

ユーザーはリンクをクリックし、各サイトを訪れて情報を確認していたからです。

一方、AIによる回答が検索結果ページ上に表示される現在は、ユーザーがサイトを訪問しなくても疑問を解決できる場面が増えています。

こうした、検索結果から外部サイトへクリックせずに行動が完結する現象は「ゼロクリック検索」と呼ばれます。

米国のGoogle検索を対象としたSparkToroの調査では、2026年1〜4月の検索のうち68.01%がクリックなしで終了したと報告されています。

もちろん対象地域や計測方法によって数値は異なりますが、検索結果ページ内で情報収集を完結させる利用者が増えていることは、見逃せない変化です。(SparkToroの調査

ゼロクリック検索によってユーザーは検索結果だけで必要な情報を得られるようになるため、Webサイトへの流入は起こりづらくなります。

これはサイト運営者にとって、大きな課題と言えます。

今後は、検索エンジンを単なる「サイトへの流入経路」として捉えるのではなく、マーケティングの観点からどのように活用し対策していくかを考える必要があります。

AI検索時代に大切なのは「AIに選ばれること」

これからの検索対策では、検索順位だけでなく、AIが回答を生成する際に「信頼できる情報源」として自社の情報を採用してくれるかが重要になります。

そこで注目されている考え方が、AEOとAIOです。

AEO(Answer Engine Optimization)
ユーザーの質問や検索意図に対して、回答エンジンが自社の情報・コンテンツを「適切な回答」として理解・選定・提示できるように最適化する手法
AIO(AI Optimization)
検索に限らず、AI技術全般に自社の情報やコンテンツを正しく認識・選定させるための最適化手法

AIOはAI全般を対象とする手法であり、AEOはAIの中でも回答エンジン(回答を生成・提示するシステム)に特化した手法を指します。

AIOがAEOの上位概念である、と捉えると整理しやすいと思います。

テクニックから、情報の価値へ

AIは、単にキーワードが多く含まれているページではなく、誰が発信しているのか、どのような経験や専門性に基づくのか、内容が正確で検証可能か、といった点を総合的に判断します。

もちろん、従来のSEOが不要になるわけではありません。検索エンジンやAIがページを正しく理解できるように整えることは、引き続き大切です。

ただし、キーワードの出現回数やリンク獲得といった表面的な対策だけで成果を得ることは、以前より難しくなっています。

これからは、Googleが示すE-E-A-T、すなわち経験・専門性・権威性・信頼性を、コンテンツそのものにきちんと備えることが欠かせません。

言い換えれば、「検索エンジンのために書く」だけではなく、「ユーザーにとって本当に役立ち、根拠を示せる情報を届ける」ことが、結果としてAIにも選ばれやすくなる時代です。

アクセス数だけでは測れない成果へ

ゼロクリック検索が増えると、「上位表示されてもクリックされない」という場面は今後さらに増えるかもしれません。

そのため、サイト流入数だけで検索施策の成果を測ることは、少しずつ難しくなっていくでしょう。

一方で、AIの回答内で自社の情報が参照されれば、ユーザーに専門性や存在を知ってもらう機会になります。

検索結果からすぐに訪問されなかったとしても、「この分野ならこの会社・このブランド」という認知や信頼の形成につながる可能性があります。

AI検索の広がりは、事業者にとって新たな課題であると同時に、情報の価値で正当に選ばれるための機会でもあります。

これから必要なのは、アクセス数を増やすことだけを目的にするのではなく、誰に、どのような価値を届けたいのかを改めて見つめ直すことです。

確かな経験や知見を、わかりやすく、正確に発信する。

その積み重ねこそが、検索エンジンにもAIにも、そして何よりユーザーにも選ばれるための基盤になります。

この記事を書いた人
柴田 竹思

フリーランスWebディレクター/デザイナー。Webデザイン事務所Bamboo Works代表。中小企業・個人事業主のWebサイト制作のほか、官公庁や大手企業のプロジェクトにも携わる。日本とベトナムの二拠点生活中。