Blog

中小企業・個人事業主のための経営戦略基本フロー【この通りやればできる】

中小企業・個人事業主が経営戦略を立てる際に、押さえておきたい基本的なフロー(流れ)があります。

この流れに沿って考えることで、現在抱えている問題点や自社の強みをより正確に把握し、スタート(経営理念)とゴール(企業としての目標)を結びつける一貫性のある戦略を立てることが可能になります。

中小企業・個人事業主が経営戦略を立てるための基本フロー

それでは、中小企業・個人事業主が経営戦略を立てるための基本フローを順を追って見ていきましょう。

経営理念を明確にする

経営戦略を立てるうえで、まずはじめにすること。

それは経営理念を明確にすることです。

経営理念とは、

  • ミッション(使命)
  • ビジョン(理想像)
  • バリュー(価値観)

のことです。

多くの中小企業・個人事業主では、すでにこうした経営理念を持っていると思います。

しかし、経営戦略を立てる前に、改めて確認することをおすすめします。

創業者と現経営者が違う場合、創業者の理念と現経営者の想いに齟齬がある場合もあります。

どちらが正しい・正しくないという話ではありませんが、現在の経営理念が、創業者の抱いていたビジョンを時代の流れなどを加味してさらに磨き上げたものであると理想的です。

SWOT分析で現状を把握

SWOT分析を行い、自社の現状を把握します。

自社の強み・弱み、そして景気や社会情勢などの外的要因から受ける影響などについて洗い出し、それらを掛け合わせることでリーチできるチャンスや避けるべき事態が浮き彫りになります。

SWOT分析で手に入れたデータが、戦略全体の土台となりますので、じっくり取り組みましょう。

具体的なやり方は以下の記事で紹介しています。

戦略ドメインの設定

戦略ドメインとは、自社が事業を行う領域のことです。

よく「ブルーオーシャン」とか「ニッチ」とか言ったりしますが、それらは戦略ドメインを設定する際の話です。

ちなみにブルーオーシャンとニッチは混同されることがありますが、ブルーオーシャンが競合のいない未開拓の市場を指すのに対し、ニッチがすでにある市場を細分化(セグメンテーション)することで競合がいない市場を見つけ出すことを言います。

戦略ドメインの設定方法については、以下の記事でも紹介しています。

各分野の戦略に落とし込んでいく

SWOT分析による現状分析と戦略ドメインの設定によって、企業全体としての方向性が定まります。

次は、ここまで練ってきた戦略をマーケティングや組織づくりなどの各分野の戦略に落とし込んでいきます。

  • 組織
  • マーケティング
  • 生産
  • 財務
  • 情報

などについて、経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報など)をどう分配するか、そしてそれらをどう活用していくかなどの戦略を立てていきます。

戦略を実行するための計画を立てる

各分野の戦略にまで落とし込めたら、それを実行するための計画を立てていきます。

戦略と計画は同じ意味のように捉えられることもありますが、戦略は計画の上位概念です。

戦略とはビジネスなど先のことが予測不能な事柄に対し、目標を設定し、それを実現するための方法のことです。

そして計画は、目標を達成するための具体的な行動の仕方のことです。

そのため、戦略なくして計画はありません。

また一つの戦略に対し、複数の計画を用意しておくといいでしょう。

そうすれば計画Aがうまくいかなかった場合に計画Bを実行したり、外的要因の変化により計画Cから計画Dに移行するという選択が可能になります。

いい戦略には、経営理念と一貫性がある

まとめると、

  1. 経営理念を明確にし、
  2. 事業を行う領域を設定したうえで、
  3. 各分野の戦略を練り、
  4. 戦略を実行するための計画を立てる

という流れです。

この流れを意識せずに戦略を立てようとすると、深層部分(企業として何がしたいのか?)が分からないまま小手先で事業を進めようとして失敗したり、たとえ戦略自体はうまくいっても経営理念と矛盾する結果になってしまうというようなことも起こり得ます。

重要なのは、企業(事業者)においての最上位概念である経営理念と一貫性がある経営戦略を立てることです。

そのためにも、まず最重要となる経営理念から経営戦略へ、そして経営計画にと順に落とし込んで考えていくことが大切になります。