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現役WebデザイナーがおすすめするWordPressテーマ6選【有料・無料】

2019.12.27 2020.10.24 WordPress

前回の記事で、WordPressテーマを選ぶ際にチェックしたいポイントや注意点についてお伝えしました。

今回はそれらを踏まえて、2019年12月現在、現役のWebデザイナーである僕の目から見た「おすすめWordPressテーマ」をご紹介していきます。

有料・無料問わず、機能面・操作性・デザインを基準に選んでいます。

各テーマについて「どんな人におすすめか?」も書いていますので、選ぶ際の参考にしてもらえたらと思います。

また順不同で紹介していますので、上にあるほどおすすめということではありません(どれもおすすめです)

ご自分の目的に合わせて選んでみてください。

現役WebディレクターがおすすめするWordPressテーマ6選【有料・無料】

Lightning

Lightning

コーポレートサイト向けのWordPressテーマとして有名なものに、「BizVektor(ビズベクター)」というのがありました。

高機能で無料・商用利用可ということで、現在でも多くの企業サイトに利用されています。

しかしリリースからだいぶ時間が経っていることもあり、デザインや機能面でどうしても「古クサイ」というイメージが拭えませんでした。

このWordPressテーマ「Lightning」はBizVektorの後継として開発されたもので、さらに使いやすく、デザインも時流に合わせて改善されています。

テンプレートもシンプルな構成になっており、デザインもシンプルで癖がないのでカスタマイズしやすいでしょう。

Lightningのもっとも大きな特徴は、機能面がすべて「VK All in One Expansion Unit(Ex Unit)」というプラグインとして切り離されていることです。

最近のテーマは非常に高機能なものがたくさんありますが、その反面、構造が複雑化してカスタマイズが難しくなっています。

また重要な機能がテーマに依存していると、将来的に別のテーマへ乗り換えた際に、機能を代替するプラグインを導入したりテーマをカスタマイズしたりというコストが掛かります。

しかしLightningの場合は、別のテーマに乗り換えてもEx Unitを引き続き利用することができるため、そのような問題はなくなります。

なおLightningもEx Unitも無料で利用できますが、コーポレートサイトを構築する際には有料の「Lightning Pro」がおすすめです。

無料版に比べてさらに細かい設定や、収益を上げるための作り込みが可能になっています。

テーマ名 Lightning
価格 無料または有料(税込7,700円)
備考 設定ガイドあり。業種に合わせたデザインスキンやコンテンツデータでスピーディーなサイト立ち上げが可能。

THE THOR(ザ・トール)

THE THOR(ザ・トール)

洗練されたデザインとSEO、機能(使いやすさ)のすべてで高水準にあるWordPressテーマです。

CSSを非同期で読み込んだり、JSファイルをwp_footerで読み込んだりと、ページ表示速度を向上させるための工夫が施されています。

機能面についても

  • メインビジュアルに動画やスライドショーを設置できる機能
  • ランキングサイトの作成をサポートする機能
  • アドセンスなどの広告を簡単に設置できる機能
  • アフィリエイトタグを管理する機能

など、多くのブロガーやアフィリエイターの「あったらいいな」が実装されています。

デザインに関しては直線的でスタイリッシュな仕上がりになるので、かわいい系やガーリーなデザインにしたい場合には細かな調整が必要かもしれません。

しかしサムネイルなど写真の品質にこだわることができれば、それだけで高いデザイン性を保持できるはずです。

テーマ名 THE THOR(ザ・トール)
価格 14,800円(税別)~
備考 購入者限定のオンラインマニュアルとサポートフォーラムあり。
「デザイン着せ替え機能」でデモサイトのデザインをそのまま利用可能。

SANGO

SANGO

実装されている機能自体は昨今のWordPressテーマにはよくあるものばかりですが、そのすべてにおいて高い水準を保持している非常に優秀なテーマです。

特筆すべき点としては、一般的なSEO対策に加え「構造化データ」周りの作り込みがされている点です。

構造化データはAMP(ページ表示高速化フレームワーク)に対応するために必要になるため、それがテーマの方で設定できるのは助かりますね。

とはいえ、SANGO自体はAMPに対応はしていないため、対応するには自分でカスタマイズするか、WordPress公式のAMPプラグインを利用することになるでしょう。

またデザインに関してもしっかりと作り込まれているので、カラーの変更などテーマ側で用意してくれている範囲内でカスタマイズすることをおすすめします。

逆に言えばテンプレートファイルを編集してのカスタマイズには不向きといえますので、オリジナリティを出したい場合にはもっとシンプルなテーマを採用した方がいいでしょう。

なおSANGOはブロガーやアフィリエイターを中心に、ユーザーが非常に多い印象です。

優秀なテーマであるが故の弊害といえますが、どうしても似通ったデザインが多くなるので、あなたのブログも没個性的になりやすいです。

テーマ名 SANGO
価格 11,000円
備考 使い方ガイドあり。

STORK19

STORK19

WordPressテーマを複数リリースしている、OPENCAGEによる最新テーマです。

OPENCAGEのテーマはどれも高品質・高性能で、テーマごとにコンセプトやデザインのこだわりがあるのも人気の理由だと思います。

その中でもこのSTORK19は、現在販売されているOPENCAGE製テーマの中でもっとも優れたテーマと言えるでしょう。

正直なところ以前はページ表示速度が激遅だったり、マージン(余白)がガタガタだったりとOPENCAGEのテーマは微妙な印象でしたが、STORK19はその辺りが大幅に改善されています。

デモサイトのページ表示速度をGoogleのPageSpeed Insightsで調べると、モバイルで95点、パソコンで96点というハイスコアです。

PageSpeed Insights

PageSpeed Insights

また余白についても、ALBATROSやHUMMING BIRDではガタガタですが、

ALBATROS

HUMMING BIRD

STORK19ではバランスが取れています。

STORK19

機能面に関してはこれまでのOPENCAGE製テーマ同様に文句なしで、「かゆいところに手が届く」という設計になっています。

デザインはすでに作り込まれている感があるので、あまりカスタマイズなどせず、テーマ側で用意されているカラー設定にとどめて使うのがおすすめです。

テーマ名 STORK19
価格 11,000円(税込)
備考 使い方ガイドあり。購入から30日間は無料のメールサポート利用可。

Cocoon

高性能な無料WordPressテーマの代表格としてSimplicity(2)というテーマがありましたが、Cocoonはその後継にあたるテーマです。

無料にしては「やりすぎ」というほど機能が充実しており、シンプルなデザインの助けもあってページ表示速度も文句なしのレベルです。

Cocoon

Cocoon

また、繰り返しになりますがデザインがシンプルで、テンプレート構造も分かりやすいためしっかりカスタマイズしたい人にもおすすめです。

その他に特筆すべき点として、AMPをはじめとしたモバイルフレンドリー対応がしっかりされていることです。

しかもAMPに対応した場合、本来のデザインとAMPページでデザインに違いが出ることが多いですが、Cocoonではほぼ違いがありません。

とはいえ、カスタマイズすることでその辺りのメリットを損なうおそれもあるため、注意しながら作業することをおすすめします。

ちなみに現在はデモサイトにスキンが適用されちゃってますが、サイドバーの「スキン動作デモ」から「Cocoonデフォルト」を選択すれば本来のデザインを確認できます。

テーマ名 Cocoon
価格 無料
備考 サポートフォーラムあり。テーマ制作者または有志によるデザインスキンを適用することで手軽にデザインを整えることも可能。

SNOW MONKEY

国産メールフォームプラグインとして有名な『MW WP Form』をはじめ、多数のWordPressプラグインを開発しているモンキーレンチによるテーマです。

機能・操作性・デザインなどあらゆる面で高い水準を保持しており、コーポレートサイト構築やプロユース(プロがクライアントワークに利用)にも耐えうる品質です。

特筆すべき点としては、

  • 使い勝手を試してから購入できること
  • 料金体系が年額制(16,500円/年)であること

です。

そのため他のテーマに比べて割高感は否めませんが、

  • 頻繁にアップデート版がリリースされること
  • 充実したサポートフォーラムを利用できること
  • 制作者のスキルについて信頼性が高いこと

などを考えれば決して悪い選択ではないと言えるでしょう。

またWeb制作業者にWordPressサイトの制作を依頼すれば、安くて数万円~、一般的な相場で言えば数十万円掛かるのが一般的です。

もちろん業者に頼めば自分で作業する必要はありませんし、オリジナリティのあるデザインを提供してくれます。

しかし、

  • WordPressの基本的な使い方が分かっている
  • ある程度自分でテンプレートファイルをカスタマイズできる

という人にとっては、SNOW MONKEYのコストパフォーマンスは無視できないと思います。

なおSNOW MONKEYにはWordPressのエディタ「Gutenberg」での編集をサポートする「Snow Monkey Blocks」という無料プラグインが用意されています。

非常に便利なプラグインですが、インストール&有効化すると結構な数の外部ファイルを読み込みます。

そうなるとページ表示速度に影響も出かねませんので、SNOW MONKEYに実装されている「ページ速度最適化」やキャッシュ系プラグインの導入の検討するといいでしょう。

ちなみにSnow Monkey BlocksはWordPressの公式プラグインとして登録されていますので、単体(=SNOW MONKEYと併用しない)での使用も可能です。

テーマ名 SNOW MONKEY
価格 年額16,500円
備考 継続課金中のユーザーには有料アドオンの無料配布、サポートフォーラムへの投稿が可能になるなどの特典あり。
利用料の継続課金を停止してもテーマの利用と自動アップデートは利用可能。

まとめ:最近のWordPressテーマは高品質化が止まらない

以上、プロ7年・現役のWebディレクター/デザイナーから見た、おすすめWordPressテーマのご紹介でした。

ほんの数年前までは、

  • デザインはいいけどSEOに弱い
  • 性能はいいけどデザインがダサい

というような「あちらを立てればこちらが立たず」なテーマが多く、どこかで妥協する必要がありました。

しかし最近のテーマは機能・操作性・デザインなど、あらゆる面で高い水準を実現しているテーマがいくつもリリースされています。

そして今後はテーマファイルの構造が複雑化してきたことを受け、LightningやSNOW MONKEYのようにデザインと機能をテーマとプラグインに切り離す形が増えてくるかもしれませんね。

ということで、参考になれば幸いです。