Webマーケティングは何から始める?中小企業Web担当者が最初に確認する3つのこと

Webマーケティング
2026.10.18
2026.10.18

Webマーケティングを始めたいけれど、何から手をつければいいのかわからない。SEO、広告、SNS、ブログと調べるほど選択肢が増えて、結局どれも始められないまま時間だけが過ぎていく。

もしそうなら、この記事はあなたのために書きました。

専任のWeb担当者がいない中小企業では、担当者や経営者が本業の合間にWebを任されることが少なくありません。使える時間も予算も限られていて、すべてを試す余裕はありません。「何から」を間違えると、遠回りになってしまいます。

迷う原因は、知識の不足というより、選ぶための判断基準がないことです。この記事では、施策を選ぶ前に確認しておきたい3つのこと(成果・受け皿・計測)と、その後に集客チャネルを1つだけ選ぶ手順を、兼任の担当者が週1〜2時間で進められる形で整理します。

読み終えるころには、「自社が今週やること」を1つ決められる状態を目指します。

Webマーケティングは何から始める?迷う理由は「判断基準がない」こと

Webマーケティングとは、インターネットを使って見込み客と出会い、問い合わせや購入につなげる取り組みの総称です。SEO、広告、SNS、ブログ、メール、Googleビジネスプロフィールなど、手法は数多くあります。

「何から始めればいいかわからない」と迷うのは、手法が多いことに加えて、次の3つが重なっているためです。

  • 情報源ごとに「まずやるべきこと」が違う:発信者の得意分野に寄りやすく、SEOの会社ならSEO、広告の会社なら広告が勧められがちです。どれも間違いではありませんが、自社に合うかどうかは別の話です。
  • 自社に合うかを測る物差しがない:他社の成功例を見ても、自社の状況に当てはめられません。
  • 試す時間が限られている:兼任だと、複数の手法を順に試す余裕がありません。

そこで必要なのは、「正解の施策」を探すことではなく、自社の状況から優先順位を決める物差しです。この記事では、次の順番を物差しにします。

  1. 成果:Webで何を得たいのかを決める
  2. 受け皿:問い合わせを受け取る場所(ホームページやGoogleビジネスプロフィール)を整える
  3. 計測:成果の数を毎月見られるようにする
  4. 集客チャネル:どこから人を呼ぶかを、1つだけ選ぶ

最初の3つが整っていないまま集客を始めると、成果が出ているのかを判断できず、せっかく来てくれた人も取りこぼしてしまいます。そのため、「最初の一手」は、いきなり施策を選ぶことではなく、3つのうち、できていないものを整えることです。

施策を選ぶ前に確認したい3つのこと

SEOにするか、広告にするか、SNSにするか。施策を比べはじめる前に、確認しておきたいことが3つあります。この3つが曖昧なまま施策を始めると、成果が出ているのかどうかも判断できないからです。

1. Webで得たい成果を1つ決める

最初に決めるのは、Webに何をさせたいかです。たとえば次のようなものがあります。

  • 問い合わせ(フォームや電話)を増やしたい
  • 来店予約を増やしたい
  • 商品を購入してもらいたい
  • 採用の応募を増やしたい

候補はいくつもありますが、ここでは1つに絞ってください。成果が複数あると、施策の優先順位も、効果の測り方もぶれてしまいます。

次の一文が言える状態であれば、この確認はクリアです。

「Webから、〇〇を月△件増やしたい」

あわせて、直近1か月に実際何件あったかも数えます。0件でも構いません。「0件である」と把握できていることが大切です。目標の数字は、最初は現状より少し上で十分です。社内に説明する立場の方も、成果が一文で言えると話が通りやすくなります。

2. 問い合わせを受け取る「受け皿」を整える

受け皿とは、検索した人が最初に見る場所のことです。自社のホームページや、Googleビジネスプロフィールがこれにあたります。集客を始める前に、ここで取りこぼしが起きていないかを確認します。見るのは次の5点です。

  • 何の会社で、誰のためのサービスなのかが一目でわかる
  • 連絡手段(フォームや電話)がスマホで押しやすい位置にある
  • 実績・事例・料金の目安のいずれかが載っている
  • 会社名・所在地・代表者などの運営者情報がある
  • スマホで表示が崩れず、極端に遅くない

すべてが完璧である必要はありません。まず「連絡手段」と「信頼できる情報」の2点を優先してください。ホームページを作り直さなくても、既存のページに情報を足すだけで済むことも多くあります。

確かめるには、自社名ではなく「地域名+業種」で検索し、初めて見る人の目線で自社のページを見てみてください。家族や知人に見てもらい、「何をする会社か」「どこに連絡すればいいか」がすぐにわかるか聞くのも有効です。

3. 成果の数を毎月見られるようにする

数字で見られなければ、始めた施策が効いたのか、続けるべきなのかを判断できません。最初に必要なのは、高度な分析ではなく、次の最小構成です。

  • 問い合わせを記録する表を1枚つくる(日付、どこで知ったか、内容、契約に至ったか)
  • GA4とGoogleサーチコンソールを設定する(どちらも無料)
  • フォームの送信や電話のタップを、成果として計測できるようにする

問い合わせの際に「どこで当社を知りましたか」と聞くだけでも、経路の手がかりになります。毎月の問い合わせ数と、その経路がわかる状態になっていれば、この確認はクリアです。

3つの確認のまとめ

1. 成果

  • できている状態:成果を一文で言え、直近1か月の件数がわかる
  • できていない場合は…:成果を1つ決め、件数を数える

2. 受け皿

  • できている状態:連絡手段と信頼情報が、スマホで見やすく載っている
  • できていない場合は…:連絡手段と信頼情報から整える

3. 計測

  • できている状態:毎月の問い合わせ数と経路がわかる
  • できていない場合は…:記録表とGA4・サーチコンソールを設定する

3つのうち、できていないものが1つでもあれば、それが「最初の一手」です。施策を増やすのは、そのあとで構いません。3つとも整っているなら、次は集客チャネルを選ぶ段階です。

3つが整ったら、集客チャネルは1つだけ選ぶ

3つの確認が済んだら、ようやく集客チャネルを選ぶ段階です。ここで大切なのは、最初は1つだけ選ぶことです。

兼任の担当者が使える時間は限られています。SNS、ブログ、広告を同時に始めると、どれも中途半端になりがちで、成果が出る前にすべてやめてしまうことにもなりやすいのです。1つに絞れば、続けやすく、効果があったかどうかも判断しやすくなります。

選び方の目安は、お客様が自社をどうやって見つけてくれているかです。確認③で作った記録表を見て、問い合わせが最も多い経路から考えてみてください。まだ件数が少なくてわからない場合は、下の3つのうち、いちばん当てはまるものを選びます。

地域名+業種で探される場合

飲食店、美容室、整体院、工務店のように、お客様が「地域名+業種」で検索して見つける仕事は、Googleビジネスプロフィールの整備が最初の一手になります。無料で始められ、検索結果やGoogleマップに自社の情報が表示されます。

最初にやるのは、次の4つです。

  • 営業時間、住所、電話番号、サービス内容を正確に入力する
  • 店舗や施工の写真を数枚載せる
  • 休業日などの変更をすぐ反映する
  • お客様に口コミをお願いする流れを決める(会計時に案内する、など)

口コミは、お礼の品などと引き換えに依頼しないでください。Googleのポリシーで制限されています。

この段階では、ブログの更新や広告の出稿は後回しで構いません。1か月後は、Googleビジネスプロフィール経由の電話やルート検索の件数を確認します。

課題やサービス名で探される場合

「〇〇 費用」「〇〇 おすすめ」のように、お客様が課題やサービス名で検索して比べる仕事(BtoBのサービス、士業、制作業など)は、検索から来る人を受け止める設計が最初の一手になります。

ただし、いきなりブログを量産する必要はありません。順番は次のとおりです。

  1. 主力サービスのページを、お客様の疑問に答える内容に整える(誰向けか、何ができるか、料金の目安、進め方)
  2. お客様から実際によく聞かれる質問を1つ選び、それに答える記事を1本書く
  3. 1本ごとに、検索されているか、問い合わせにつながったかを確認する

検索されているかは、サービスに関わる言葉をGoogleの検索窓に入れて、予測表示や関連する検索が出るかで、おおまかに見当がつきます。検索で成果が出るまでには数か月かかることが多いため、短期で結論を出さないようにしてください。

紹介・口コミが中心の場合

これまでの仕事が紹介や口コミで回っているなら、新しい集客を足す前に、紹介を逃さない準備を優先します。紹介された人は、たいてい名前や会社名で検索して、本当に頼んでよいか確認するからです。

  • 確認②の受け皿を整える(特に、実績・料金の目安・運営者情報)
  • 既存のお客様に、年数回の近況連絡を送る(メールやLINEなど、続けられる手段で)
  • 紹介してくれたお客様に、お礼を伝える

この場合、新規向けの広告は急ぐ必要がありません。月の問い合わせのうち、紹介がどれくらいを占めているかを確認してください。紹介だけで十分に仕事が回っているなら、「今はWebに力を入れない」と決めるのも、立派な判断です。

3つのチャネルのまとめ

1. 地域名+業種で探される

  • 最初の一手:Googleビジネスプロフィールの整備と口コミの依頼
  • 今は後回し:ブログ更新、広告

2. 課題やサービス名で探される

  • 最初の一手:サービスページの整備と、お客様の質問に答える記事1本
  • 今は後回し:SNSの複数運用、記事の量産

3. 紹介・口コミが中心

  • 最初の一手:受け皿の強化と、既存のお客様への定期連絡
  • 今は後回し:新規向けの広告

選んだチャネルは、少なくとも3か月は続けてみてください。その間は、新しい施策を足さずに、数字を見て改善することに集中します。

使える時間が週1〜2時間でもできる最初の30日

ここまでの内容を、30日間の動きに落とし込みます。前提は、兼任の担当者が週に1〜2時間を確保できる場合です。すでに済んでいる項目は飛ばして進めてください。

1週目
  • 成果を1つ決め、直近1か月の件数を数える
  • 問い合わせの記録表をつくる

(所要時間:約1時間)

2週目
  • 「地域名+業種」で自社を検索し、受け皿をチェックする
  • 連絡手段と信頼情報を整える

(所要時間:1〜2時間)

3週目
  • GA4とGoogleサーチコンソールを設定する
  • フォーム送信や電話タップを成果として計測できるようにする

(所要時間:1〜2時間)

4週目
  • 集客チャネルを1つ選び、その最初の一手に着手する
  • 最後に30日間の成果を振り返る

(所要時間:1〜2時間)

30日目のゴールは、問い合わせが増えることではない

30日で問い合わせが目に見えて増えるとは限りません。この期間のゴールは、次の3つがそろうことです。

  • Webで得たい成果が決まり、件数を毎月数えられている
  • 受け皿に、連絡手段と信頼情報が載っている
  • 選んだチャネルの最初の一手が、実行済みになっている

数字の変化が見えはじめるのは、そのあとです。30日目に件数が増えていなくても、失敗ではありません。土台が整った状態から、数字を見て改善していくことになります。

30日後のチェックポイント

30日が経ったら、15分だけ時間をとって、次の3点を確認します。

  1. 記録表に、1か月分の問い合わせ数と経路が入っているか
  2. 選んだチャネルの最初の一手を、実行できたか
  3. 次の30日で、何を1つだけ続けるか、または見直すか

社内への報告が必要な担当者は、この3点をそのまま共有すれば、説明の材料になります。

最初のうちはやらないほうがいいこと

何を始めるかと同じくらい、何を後回しにするかが大切です。兼任の担当者がやってしまいがちで、結果として続かなくなる例を挙げます。

複数のSNSを同時に始める

InstagramもXもYouTubeも、と手を広げると、投稿の準備だけで週の時間が埋まります。SNSを使うなら、お客様が実際に見ていそうなものを1つだけ選び、無理なく続けられる頻度から始めてください。

記事を量産する

「ブログは数を書くほど有利」と聞いて、焦って更新を増やしても、読まれない記事が増えるだけです。まずは、お客様からよく聞かれる質問に答える記事を1本書き、その1本が検索されて問い合わせにつながったかを確認します。

受け皿が弱いまま、広告を出す

広告は、出した分だけ人を呼べます。しかし、受け皿に連絡手段や信頼情報がなければ、費用をかけて呼んだ人を逃してしまいます。広告は、確認②が整ってから検討してください。

1〜2か月で結論を出す

検索からの流入や口コミは、効果が見えるまでに時間がかかります。最低でも3か月は同じチャネルを続け、記録表の数字を見て判断してください。数字を見ずに「効果がなかった」と決めてしまうのが、いちばんもったいない終わり方です。

アクセス数やフォロワー数だけを追う

増えると嬉しい数字ですが、売上につながるとは限りません。見るべきは、最初に決めた「成果」の件数です。アクセスが増えても問い合わせが増えていないなら、受け皿に課題があるかもしれません。

「上位表示を保証します」という提案を、そのまま信じる

検索順位を確実に約束できる業者はいません。順位の保証をうたう提案には注意が必要です。外注先に確認したいことは、次の章でまとめます。

自分でやること、任せたほうがいいこと

ここまで読んで、「全部は自分でできない」と感じた方もいるかもしれません。その場合は、一部作業の外注化を検討しても構いません。どの作業を他人に任せるかの判断基準は、次の3つの問いです。

  1. 自社や自社のお客様を知っているからこそ、価値が出ることか
  2. 覚えるのにかかる時間が、得られる成果に見合うか
  3. 失敗したとき、取り返しがつくか

自分でやったほうがよいこと

  • 成果を決める
  • よくある質問の洗い出し
  • 事例やお客様の声の整理
  • 問い合わせの記録
  • 口コミのお願い

任せてもよいこと

  • ホームページの構造変更や、フォームの設置・改修
  • 計測タグの設置と、計測の設計
  • セキュリティ対策、バックアップ、システムの更新
  • デザインの調整、表示速度の改善
  • 専門知識が必要な広告の運用

事業のことを知っている人でなければ対応が難しいことは、自分でやるようにします。ここを他人に任せてしまうと、内容が薄くなります。逆に外注化を検討してもいいものは、手間がかかったり、Webに関する専門知識が必要だったり、ミスをするとホームページに影響が出やすいことです。

任せるときに守りたいのは、目的と成果は自分で決めることです。最初に決めた成果を伝えておけば、業者の提案が自社の目的に合っているかを判断できます。「何でもお任せします」と丸投げすると、何をしてもらっているのか、成果が出ているのかが見えなくなります。

外注先に確認したいこと

  • 何を実施するのか(作業の内容と範囲)
  • 成果の数字を、どう測るのか
  • 報告は、どの頻度・形式で受けられるのか
  • 順位の保証をうたっていないか(検索順位を確実に約束できる業者はいません)

順位の保証より、これらの質問に具体的に答えてくれるかどうかが、判断の材料になります。

まとめ

この記事では、Webマーケティングを何から始めるかを、次の順で整理しました。

  1. 成果を1つ決める
  2. 受け皿(ホームページやGoogleビジネスプロフィール)を整える
  3. 成果の数を毎月見られるようにする
  4. 集客チャネルを1つだけ選ぶ

自社の状況に当てはめて、最初の一手が決まったなら、まずはそれを30日間やってみてください。

一方で、次のような状態で迷っているなら、一人で抱え込まずにご相談ください。

  • 3つの確認のうち、どこまでできているのか自分では判断できない
  • 受け皿の整備に、専門的な作業が必要そうだ
  • 自社の場合、どのチャネルを選ぶべきか決められない
  • 使える時間や予算が限られるなかで、現実的に何ができるか知りたい

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この記事を書いた人
柴田 竹思

Webクリエイター/Web制作スタジオBamboo Works代表。日本縦断やカナダでの音楽活動、西アフリカの小学校支援を経てWeb制作へ。制作会社、大手アパレル、官公庁案件などを経験し、現在は中小企業・個人事業主のWeb運用を支援。「まず聞く」を大切に、その会社ならではの価値を掘り起こし、“もう一人のあなた”となるWebサイト制作を得意とする。