無料で取り組めるWeb集客法である、SEO対策。
中小企業や個人事業主の中にも、取り組んでいる方は大勢いるのではと思います。
しかし残念ながら、成果を出せているのはほんの一握りといった印象。
その原因の多くは、キーワード選定にあります。
今回は中小企業・個人事業主がSEOに取り組む上でありがちな間違いと、それを踏まえてのキーワード選定の方法についてお伝えしたいと思います。
PVが増えれば売上があがる、とは限らない
そもそもの話になってしまいますが、事業者がSEOに取り組むのは、突き詰めて言えば売上アップのためです。
売上アップのためには、できるだけたくさんのお客様がいた方がいい、だからホームページのPVを増やそう。
というわけでSEOに取り組むわけですが、実はここに落とし穴が潜んでいます。
たとえばあなたが女性向け基礎化粧品を販売している会社のSEO担当だったとして、どのようなキーワードで記事を書くでしょうか?
できるだけPVを増やしたければ、「スキンケア」とか「基礎化粧品」のような、月間検索ボリュームが大きいキーワード(ビッグキーワード)を狙おうと考えるかもしれません。
でもビッグキーワードの検索意図は、以下のようにバラバラです。
- 効果的なスキンケアの方法を知りたい
- 自分に合った基礎化粧品を見つけたい
- 健康な肌を手に入れるための栄養素を知りたい
- 男性向けスキンケア用品を探している
- スキンケアの手間を省きたい
- スキンケア用品を収納するアイテムがほしい
- 目立つ毛穴をどうにかしたい
女性向け基礎化粧品を販売したい場合、男性向け商品や収納アイテムを探している人を集めても、成果にはつながりづらいですよね。
キーワードが抽象的であるほど検索意図がぼやけるので、購買につなげるのは難しくなりますし、ものによってはどう頑張っても無理な場合もあります。
つまり闇雲にPVを増やせば売上があがる、というわけではないわけですね。
SEOテクニックで勝とうとしない
また、ビッグキーワードは狙っている競合サイトが多いため、上位を獲る難易度は高くなる傾向にあります。
しかもビッグキーワードで上位を獲るようなサイトにはSEOの専門家が関わっていたりするので、そういう人たちに真っ向勝負を挑むことになります。
X(旧Twitter)とかで検索してみると分かりますが、SEOの専門家って、本当に細部にまで気を配ってコンテンツを作ったり、サイト全体の設計をしたりしています。
それが仕事だから当たり前と言えばそれまでですが、問題はそのレベルの人に自分が勝てるのか? ということです。
本来の仕事に加えて、プロレベルのSEOノウハウを身につけるなんて、現実的に考えて、まず無理じゃないでしょうか?
だったら、どうすればいいか?
答えは簡単で、そこで勝負をしなければいいわけです。
つまりSEOの専門家が、わざわざパイを取りに来ないキーワード(スモールキーワード)を狙うのです。
スモールキーワードは一般的に、検索ボリュームが小さい傾向にあります。
ですが複数の単語でキーワードが構成されるため、検索意図が把握しやすいという特徴があります。
スモールキーワードを狙ってコンテンツ(記事)を積み上げることで、結果的にPVを大きくすることもできますし、自社商品に検索意図がフィットしたキーワードを狙うことで、売上アップにもつなげられるわけです。
実際、僕が以前に運用支援していたサイト(スピリチュアル・占い系)では、上位表示できたのはスモールキーワードのみでしたが、月間PVは15万あり、月間の申し込み件数は平均20件ほどありました。
また定期的に、広告掲載の依頼が来たりもしていました(このサイトでは導線の邪魔になるので断ってましたが)。
わざわざ難易度の高いキーワードを獲りに行かなくても、スモールキーワードで十分、売上につなげられます。
お客様のことだけ考えれば、お宝キーワードが見えてくる
とはいえ、スモールキーワードなら何でもいいわけではありません。
やはり商品購買につながる検索意図のキーワードを中心に狙っていくわけですが、ここで問題になるのは、どんな検索意図なら購買につながりやすいのか? ということです。
先に挙げたように明らかにズレた検索意図であれば分かりやすいのですが、実際にはそう単純なものばかりではありません。
攻めるべきスモールキーワードかを判断するには、購買する人=お客様の気持ちをイメージできる必要があります。
お客様がどんなことに困っていて、どんな気持ちでいているのか?
それが分かるようになれば、お客様がどんなワードで検索するかを想像する精度が高くなっていきます。
実際、検索ユーザーは自分の気持ちや感情、悩みをそのまま検索窓に入力する傾向があります。
たとえばスキンケアであれば、「肌 汚い」とか「スキンケア うまくいかない」などですね。
「スキンケア おすすめ」などのすぐ思いつくキーワードは競合が多くなってしまいがちですが、お客様の気持ちを想像してたどり着いたキーワードは、ツールを使ったとしてもなかなか見つけることはできません。
お客様の気持ちをより深く理解できれば、そういう「お宝キーワード」に出会える確率が高くなるのです。
SEOは基本かつ王道ノウハウさえあればいい
お宝キーワードさえ見つかれば、高度なSEOテクニックを駆使しなくても、上位を獲得しやすくなります。
タイトルや見出しにキーワードを盛り込むとか、記事を検索意図に沿った内容にするなど、ごく基本的なSEOさえできれば大丈夫です。
なぜならお宝キーワードって、SEOのプロは狙っていないし、競合も多くない、成果は出やすいのに誰にも気づかれていないキーワードだからです。
中小企業・個人事業主がSEOで成果を出すには、このお宝キーワードをいかに見つけて、地道にコンテンツ(記事)を積み上げていくかにかかっています。
100万PVとか、大きな数字を目指す必要はありません。
もちろん業種にもよりますが、数万PVレベルでも十分な売上が出せることもあるので、ぜひお客様の気持ちからキーワードを見つけ出すアプローチを試してみていただければと思います。