JOURNAL クリエイティブとマーケティングの話

ランディングページとは?その役割や種類、流入経路から考える導線設計

サイトを立ち上げると、多くの人がまずはじめに考えるのがアクセスアップではないでしょうか?

そのためSEO対策に取り組んだりブログの更新を頑張ったりするわけですが、実はこれだけではあまり成果につながりません。

というのも、

  • サイトを運営する人は商品・サービスを売りたい
  • サイトを訪問する人は有益な情報を手に入れたい

という感じで、目的がまったく違うからです。

それを踏まえれば、「たくさんの人を集めれば商品が売れる」と考えるのはちょっと無理がありますよね。

Webを活用して商品を販売するには、情報を求めてサイトを訪れたユーザーに役立つ情報を提供しつつも、自社の商品をアピールしていかなくてはなりません。

そこで必要となるのが、ランディングページです。

ランディングページとは?

ランディングページは直訳すると「着地するページ」というような意味で、そもそもは検索エンジンや広告を経由してユーザーが最初に訪れるページのことを言います。

そして広告経由で訪れたユーザーに向けてセールスし、お問い合わせや購入・資料請求などのコンバージョンを促すケースが多いため、「ランディングページ=コンバージョンを目的としたページ」として扱われることが多いです。

今回はこのランディングページについて、その役割や種類、導線設計などについておさらいしていきたいと思います。

「ランディングページ」という言葉はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでは「ユーザーが最初に訪れたページ」という意味で使われます。混同すると分かりづらくなるので注意しましょう。

ランディングページがないと、いくら集客しても水の泡

冒頭でも言いましたが、サイト運営者は商品の販売、ユーザは情報という感じで、双方がサイトに求めるものは違います。

そのため運営者は役に立つ情報の一つとして、自社の商品・サービスによって提供できるメリットを紹介していくというアクションが必要になってきます。

それがなければ、ユーザーはサイトに掲載されている情報を見て「参考になったな」と思うだけで、商品のことは何も知らずに去っていってしまいます。

これでは、あまりにもったいないですよね。

そのため集客に力を入れつつも、できるだけ早い段階、可能であればサイト公開当初からランディングページを設置しておくことが大切になります。

ランディングページの種類と特徴

ランディングページの構成に特に決まりがあるわけではありませんが、以下の3つのいずれかの形になっていることが多いです。

  • 縦長ランディングページ
  • サイト型ランディングページ
  • 記事型ランディングページ

それぞれの特徴について、簡単にご紹介します。

縦長ランディングページ

「こんなお悩みありませんか?」という感じでユーザーの抱えている問題を指摘し、解決策として商品を提案するような縦に長い構成のランディングページです。

「ランディングページ」と聞いて、一般的にイメージされる構成のものではないかと思います。

縦長ランディングページの強みは、ユーザーが商品によって得られる未来やメリット、第三者の声などを順序立て伝えることができる点です。

そのためニーズが顕在化しているユーザーに対して効果的なのですが、まだニーズを認識していないユーザーにとってはセールス色が強く抵抗感を持たれることもあります。

なお縦長ランディングページのコンテンツ作成には、PASONAの法則という手法がよく使われます。

サイト型ランディングページ

サイト型ランディングページは通常のサイトのように複数ページにわたる構成になっていますが、コンテンツがコンバージョンを発生させることに特化したものになっています。

情報量の多い商品と相性がよく、1ページ構成となる縦長ランディングページでは難しいSEO対策による集客も可能です。

記事型ランディングページ

ランディングページは一般的に、ニーズの顕在化しているユーザーに向けた内容になっているため、どうしてもセールス色が強くなります。

しかし記事型ランディングページは、その名の通りブログ記事のような構成で自然な形で商品を紹介するため、広告っぽさを感じさせません。

そのためニーズを認識していない潜在層にも抵抗感を持たれることなく、商品を提案することが可能となります。

ただ記事型ランディングページから直接コンバージョンを発生させるというよりは、潜在層に問題提起してニーズの顕在化を促し、縦長ランディングページなどの販売力の強いサイトへと誘導する橋渡し的な役割をすることが多いです。

流入経路から考えるランディングページの使い分け

ここまでお伝えしてきたように、ランディングページはその種類によって、強みや特徴が異なります。

ニーズを認識していないユーザー(潜在層)が縦長ランディングページを見ても敬遠されますし、逆にニーズが顕在化しているユーザー(顕在層)が記事型ランディングページに着地しても、コンバージョンまでの距離が遠くなるため効果的とは言えません。

そのためユーザーの流入経路から考えて、適切なランディングページを訪問してもらえるように導線を設計することが大切になってきます。

ここからはよくある流入経路と、それに適したランディングページについてまとめます。

検索連動型広告

購買意欲の高いキーワードで広告を出稿している場合は、顕在層が流入する可能性が高いため縦型ランディングページがおすすめです。

逆に潜在層を狙ったキーワードで広告出稿しているのなら、記事型ランディングページを噛ませてから縦型へ誘導するような流れを作る方が効果的でしょう。

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告は、検索エンジンと提携しているサイトに設けられた広告枠に表示されるものです。

ユーザーが検索したキーワードに関連した広告が自動で表示されるため、そこから流入するユーザーは潜在層である可能性が高くなります。

そのため、記事型やサイト型で情報を提供しながら購買意欲を高めていく(態度変容などと言います)のが効果的でしょう。

検索エンジン

広告以外での検索エンジンからの流入(自然検索、オーガニック検索)の場合は、ユーザーの知りたいことが書かれている記事が入り口となります。

そのためサイト型ランディングページでコンテンツを横展開するなどして間口を広げ、最終的に縦型ランディングページへ誘導する流れが考えられます。

SNS広告

SNS広告からの流入は、まず自社のアカウントをフォローしてもらうことを目標としましょう。

SNSユーザーの目的は商品の購入ではなく、他のユーザーとの交流や耳寄りな情報です。

そのため、ここから流入するユーザーは概して購買意欲の低い潜在層です。

いきなり縦型などセールス色が強いランディングページに飛ばしてもあまり効果はありませんので、ユーザーとの交流を通して関係を築き、最終的にランディングページを訪問してもらうような形がいいでしょう。

すべてのユーザーの出口がランディングページなのが理想

以上、ランディングページの役割や種類、導線設計についてのお話でした。

現実的にはそうはいきませんが、サイトを訪れるすべてのユーザーの出口がランディングページとなるのが理想です。

大事なのは、そうなるようにユーザーの態度変容に合わせて導線を設計し、改善を繰り返すことです。

無計画にコンテンツを増やすのではなく、それぞれのコンテンツの役割を考えながら配置することを意識するといいでしょう。