「ホームページで集客するには、SEO対策が重要」というのは、最近では多くの人がすでに知っています。
しかし具体的にどんなことをすればいいのか、自分のやっていることが合っているのかというと、イマイチ自信が持てないという人も少なくないのではないでしょうか?
ということで今回は、ホームページを制作する際にチェックしたいSEO対策のポイント、そしてまったくの初心者がゼロから1年で月間10万ページビュー(PV)を達成した方法についてご紹介していきます。
SEO対策とは?
まずはおさらいとして、「SEO対策とは何なのか?」というところから簡単に整理してみましょう。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と言ったりします。
つまりSEOとは検索エンジンが「あなたのホームページにどんなコンテンツがあるのか?」ということを把握しやすいように情報を整理したり、構造を整えたりする作業のことをいうわけですね。
検索エンジンがあなたのホームページの情報を分析して「価値あるコンテンツだ」となれば、検索結果の上位に表示されるようになります。
そうなれば、検索ユーザーがあなたのホームページにアクセスする機会が増えるので、ホームページの集客力が強化されるという仕組みです。
SEO対策をするメリット・デメリット
次に、SEO対策をする上でのメリットとデメリットについても確認しておきましょう。
メリットとしては、以下のようなことが挙げられます。
- 集客が強化・安定する
- 軌道に乗れば自動化できる
- 広告費を節約できる
普通であれば、新規顧客を獲得する場合、継続的に広告費(コスト)が掛かります。
しかしSEO対策は無料~低コストでできるので、コストを大幅に削減することができます。
また軌道に乗れば長期的に安定した集客が可能になるので、サービス品質の改善など他のところに集中することができます。
反対にデメリットとしては、次のようなことが考えられます。
- 手間と時間がかかる
- メンテナンスが必要
- 試行錯誤が必要
もっとも大きなデメリットとしては、コストが掛からない代わりに手間と時間が掛かることです。
広告の場合は出稿した瞬間から成果が出ることもありますが、SEO対策ではそんなことはあり得ません。
中長期的な視点でコツコツ・地道に取り組む姿勢が何よりも重要になります。
また軌道に乗ったからと言って、完全に放置することはできません。
ライバルも日々ホームページを改善しているわけなので、サボれば上位表示を奪われてしまうリスクが高くなります。
そのため、継続的なメンテナンスは不可欠です。
最後に、試行錯誤を続ける必要があることです。
検索エンジンがどのように検索順位を決めているのか、その仕組み(アルゴリズム)は公表されていません。
そのためSEO対策に取り組む側としては、トライ&エラーを繰り返して自分なりのノウハウを蓄積するしかありません。
もちろん専門家による有益な情報もありますが、自ら実践するマインドは忘れてはいけません。
こう書くとデメリットが多いように思われるかもしれませんが、平たく言うと「お金を掛けない代わりに手間と時間をかけて、強力で安定的な集客力を手に入れるために行う」のがSEO対策です。
集客はビジネスをする上でもっとも負荷のかかる部分ですので、そこを半自動化できるのは大きな魅力です。
そのため多くの事業者が、SEO対策に取り組んでいるわけですね。
ホームページ制作の際のSEO対策
SEO対策には大きく分けて、ホームページ開設時に設定しておくことと、運営をする中で作り上げていくものの2つがあります。
いくら頑張って運用しても、最初にしておくべき設定がダメダメだと成果は出ません。
そのためここでは、ホームページを制作したりリニューアルしたりした際に、ちゃんと設定できているかチェックしておきたいポイントをご紹介しておきます。
サイトマップ送信
サイトマップとはホームページ内にどんなページがあるのかを検索エンジンに通知するための仕組みです。
最初に設定しておけば、後は自動で定期的に送信することができるので、ホームページを公開/リニューアルした際にはまず設定しておきましょう。
なおサイトマップ送信にはGoogleが無料で提供しているサーチコンソールを利用します。
サーチコンソールはホームページの状態をチェックするのにもとても便利ですので、まだであれば登録して使えるようにしておきましょう。
パンくずリスト
パンくずリストは、ユーザーがホームページ内のどのページを見ているか分かるようにするためのリンクです。
ユーザビリティ(ホームページの使いやすさ)のためにも是非導入しておきたい機能ですが、SEO対策の面でも検索エンジンにホームページの構造を知らせるのに役立ちます。
見た目のデザインを重視するホームページでは導入されていないケースも多いですが、SEO対策したいなら必ず導入しておきましょう。
ディレクトリ構造
ディレクトリ構造とは、内容に関連のあるページ同士が同じディレクトリにあり、情報が整理整頓されているかということです。
ディレクトリ構造がめちゃくちゃだと、検索エンジンが内容の把握をしづらくなり、SEOで不利になります。
関連性のあるページをまとめることで検索エンジンに「専門性のあるホームページ」と認識されやすくなり、また関連情報へのアクセスもスムーズになります。
URL正規化
ホームページには以下のように「www」が付いているものと付いていないもの、2つのURLが割り当てられていることがあります。
- https://www.example.com
- https://example.com
SEOでは上記のURLは別個のものとして扱われるため、このままではホームページの評価が分散してしまうおそれがあります。
そのためURLを統一し、評価が分散されることを防ぐためURLの正規化をしておく必要があります。
なお「www」の有無でどちらが有利ということはないとされていますので、付ける・付けないは好みで決めて大丈夫です。
301リダイレクト
ホームページをリニューアルした場合、ページURLが変更されることがあります。
たとえば会社概要ページのURLだったら、以下のような感じです(あくまで一例です)。
- リニューアル前 https://example.com/outline/
- リニューアル後 https://example.com/company/
URLが変更されると、それまでのページの評価が引き継がれないため、同じ会社概要を扱うページでも検索順位が下がってしまうおそれがあります。
それを防ぐため、古いページURLから新しいページURLへ301リダイレクトを設定しておきます。
301リダイレクトを設定しておくと、古いページにアクセスされると自動的に新しいページへ飛んで表示されるようになります。
リダイレクトにより検索エンジンも新旧ページ(URL)の関係性を把握できるため、SEO評価を落とさずに引き継ぐことができます。
SEO初心者がゼロから1年で月間10万PVを達成した具体的方法
SEO対策の基本設定を整理したところで、次は具体的な方法についてご紹介していきます。
ここでご紹介する内容は、僕がお世話になっているクライアントが知識ゼロ・経験ゼロの状態からはじめて、約1年で月間10万PVを達成した方法です。
専門知識やスキルは必要ないので、これまでホームページを運用した経験のない人でも取り組めるはずです。
この方法であれば、下のグラフのように運用期間が長くなるに比例してPVが伸びていきます。
僕のクライアントの場合は、ホームページ公開1ヶ月目のPVは1000ちょっと。
ここから後ほど紹介する方法で運用してもらった結果、約1年が過ぎた頃には月間10万PVを突破しました。
また全体を通して突出した山がなく、なだらかな形のグラフになっています。
これはトレンドキーワード(一瞬だけ大量のアクセスを獲得できるキーワード)でバズったわけではなく、長期的に安定したPVを獲得できていることを示しています。
もちろんこの方法で取り組んでも、ホームページで扱う内容によって時間が掛かったりPVが頭打ちになることはあります。
しかし特別な知識やスキルを必要とせず、コツコツ積み上げるだけで集客力のあるホームページに育てることができますので、是非参考にしてみてください。
キーワード選定
この方法に取り組むうえでポイントになるのが、キーワード選定です。
ここで方向性がズレてしまうと、たとえPVが伸びたとしても売上につながらないということも起こり得ますので、慎重に取り組みましょう。
この方法で狙うのは、スモールキーワードと呼ばれる2単語以上の組み合わせからなるキーワードです。
スモールキーワードを狙う理由は、以下の3つです。
- 競合が少ない(弱い)
- 検索意図が分かりやすい
- ほぼ無限にある
スモールキーワードの反対に、1単語からなるビッグキーワードというものがあります。
これは月間ボリューム(検索数)が大きい代わりに、検索意図が不明確、そして数が限られているという特徴があります。
たとえば、あなたが工具の買取事業をしているとして、インパクトドライバーを売りたいと考えている人を集客したいとします。
その場合に考えられるのは、「インパクトドライバー」という単語を絡めたキーワードですよね。
しかし「インパクトドライバー」という単一キーワード(ビッグキーワード)だと、それで検索する人がインパクトドライバーを買いたいのか、売りたいのか、それとも使い方を知りたいのかなど検索した意図がつかみづらいわけです。
そのため、たとえ「インパクトドライバー」で上位表示に成功したとしても、インパクトドライバーを売りたい人だけでなく買いたい人や使い方を知りたい人まで呼び込んでしまい、思うように売上につながらないということになってしまいます。
もちろんPV数自体が大きいのでまったくダメということはないですが、そもそもビッグキーワードで上位を取ること自体が難易度が高くなるため、労力に見合った成果を手に入れるのが難しくなるのです。
ひるがえってスモールキーワードではどうでしょう?
一つ一つのキーワードの検索ボリュームは大きくありませんが、単語の組み合わせ次第でほぼ無限にあるため競合とかち合う確率が下がります。
また一つがダメなら別のキーワードという風に何度でもトライできるので、スキルや知識に依存せずにSEO対策に取り組めます。
さらにスモールキーワードには、検索意図を把握しやすいというメリットもあります。
たとえば先ほどの「インパクトドライバー」の例だと、「インパクトドライバー 買取」「インパクトドライバー マキタ 買取」「インパクトドライバー 買取 見積もり」などで検索する人であれば、インパクトドライバーの買取業者を探しているという検索意図が分かります。
これらの検索意図がハッキリしているキーワードを狙っていくことで、成果につながりやすいアクセスを増やしていくことができるわけです。
検索意図に合わせたコンテンツ作成
キーワードを選定できたら、キーワードの検索意図に合わせてコンテンツを作ります。
大事なことなので2回言いますが、「検索意図に合わせて」コンテンツを作ります。
ここが意外と苦戦する人が多いのですが、よくある失敗として検索意図を二の次にして自分の言いたいことを書いてしまう、ということがあります。
たとえあなたのホームページが検索結果の上位に表示されたとしても、そこに検索ユーザーの知りたいことが書いてなければすぐに閉じられてしまいます。
当然、売上にもつながりません。
SEOでやるべきことは、自分の考えを主張することではなく、検索ユーザーの問題を解決するための情報を提供することです。
そのため、検索意図に合致した内容のコンテンツ作りは鉄則です。
もしキーワードから検索意図の把握が難しい場合は、実際にそのキーワードで検索し、上位に表示されるページを順番に見てみましょう。
上位に表示されるページは、検索意図に則したコンテンツ作りをしている可能性が高いですので、それらを参考に自分のコンテンツを作成しましょう。
キーワードを見出しタグに入れる
コンテンツを作成する際に意識したいのは、見出しタグ(hタグ)にキーワードを入れ込むことです。
見出しタグは検索エンジンがコンテンツの内容を把握するために分析しているタグとされており、上位表示を狙いたいキーワードを入れ込むことで、上位表示しやすくなります。
最近は検索エンジンの性能が上がったため、必ずしも見出しタグに入れ込まなくても文章の内容を把握してくれるケースもあります。
しかし現在でも重要なタグであることには変わりありませんので、不自然にならない程度にキーワードを入れ込むようにしましょう。
コンテンツを量産していく
ここまでの内容を踏まえて、コンテンツを量産していきます。
「量産」というと聞こえがよくないかもしれませんが、スモールキーワードを狙ったSEO対策では、やはり量は重要なポイントになります。
なぜならスモールキーワードでは、一つ一つの検索ボリュームは大きくないからです。
そのため、できるだけ多くのキーワードを狙ってコンテンツを用意していくことになり、必然的にコンテンツが増えていくというわけです。
それでは一体どれくらいコンテンツを増やせばいいのか? という点が気になるかもしれませんが、ホームページで扱う内容によって難易度が異なってくるので、「目標に到達するまで」としか言いようがありません。
あるホームページでは100ページほどで目標に届いたとしても、またあるホームページでは500ページ必要だったということも全然あります。
ちなみに先ほどご紹介したクライアントの場合は、300ページほどで月間10万PVを達成しました。
内部リンク最適化
コンテンツを量産していく中で意識したいのは、コンテンツとコンテンツをリンクでつなぐ、いわゆる「内部リンク最適化」です。
「内部リンク最適化」というと少し分かりづらいですが、平たく言うとホームページの中でリンクの網を構築するようなイメージです。
IT業界だとこれを「内部リンク最適化」と言ったりするため、ここではそれに倣っています。
SEOにおける内部リンク最適化の目的は、ページ同士をつなげることで検索エンジンにホームページの中を効率よく見て回ってもらうことです。
そうすることで検索エンジンに各ページの存在が認識され、検索結果に表示されるようになるのです。
また内部リンク最適化をする際には、できるだけ自然な形でリンクさせることがポイントです。
たとえばブログ記事から、文脈に合わせて関連ページへのリンクを文中に入れておくというような形です。
そうすることで検索エンジンは、そのリンクが検索ユーザーに情報提供するために必要があって設置されていると認識するため、ポジティブな評価をしてもらいやすいのです。
反対にサイドバーやフッターなどから画一的に送るリンクは、評価されにくい傾向があります。
なぜならそれらは検索ユーザーの利益のためというよりも、ホームページ運営者の都合によるものが多いからです。
SEO対策のすべての施策について言えることですが、検索エンジンは検索ユーザーの利便性をもっとも大事にするため、「ユーザーにとって役に立つか?」という視点で考えることで、効果的な内部リンク最適化を行うことができるようになるでしょう。
オリジナリティを大切にする
繰り返しになりますが、この方法ではスモールキーワードを狙い、検索意図に合致したコンテンツを作ることが大前提です。
その上で、少しだけオリジナリティを加えることを意識しましょう。
検索エンジンはユーザーにとって有益であるかと同時に、そのコンテンツのオリジナリティも見ています。
自分の考えや経験に基づいた情報を入れるなどしてオリジナリティを出すことで、上位に表示されやすくなります。
また他では見れないコンテンツを発信することで、リピーター獲得がしやすくなります。
定期的にホームページを訪れてくれる人が増えれば、それだけPV増加が見込めますし、繰り返しあなたのコンテンツに触れることで単純接触効果や返報性の原理が働き、商品を買ってくれる可能性が高まります。
SEO対策をする際の注意点
最後に、ホームページでSEO対策をする際に留意したいポイントについてご紹介しておきます。
ブラックハットSEOに手を出さない
背景と同じ色にして見えなくしたキーワードを大量に埋め込んだり、不自然なほどキーワードを頻発したり、被リンク(外部サイトからリンクをもらうこと)を自作自演したりというような不正な方法で上位表示を狙うことを、ブラックハットSEOと言います。
ブラックハットSEOはコンテンツの正当な評価を妨害するもので、ペナルティの対象となります。
ペナルティを受ければホームページの情報はすべて検索エンジンから弾かれてしまい、検索結果に表示されることはありません。
絶対に手を出さないようにしましょう。
コンテンツの役割を明確にしておく
SEOで成果を出すためには、ホームページにあるコンテンツの役割を明確にしておくことが大切です。
つまり、そのコンテンツがSEOで上位表示を狙うためのものなのか、コンバージョン(ユーザーからの申し込みや購入)を獲得するものなのか、などをハッキリさせておくということです。
やってみると分かってもらえると思いますが、キーワードを意識しながら商品の購入を促す文章を書くのはとても難しいです。
プロのセールスライターであればできると思いますが、書くのを仕事にしていない人にはハードルが高いでしょう。
そのスキル習得を目指すより、SEOのためならSEOのためだけに、コンバージョンのためならコンバージョンのためだけにコンテンツを作った方が、完成度は高くなります。
その上で、SEOコンテンツで集客したユーザーをコンバージョンコンテンツに誘導するような導線を作ればいいわけです。
SEOで上位表示させつつ、そこでコンバージョンさせるには…… と考えると中途半端なコンテンツになってしまうので、はじめから役割を分けて作っていくことがゴールへの近道となります。
まとめ
以上、ホームページ制作の際にチェックしたいSEO対策のポイント、そして初心者でも1年で月間10万PVを達成した方法のご紹介でした。
SEOに限らない話ですが、実際に取り組んでみないと理解できない部分も少なくありません。
また取り組むことでデータが集まって精度が高くなるという面もあるので、ホームページの集客力を強化・安定させたいなら是非参考にしてみてください。