キーワード選定はSEOに取り組む上で、もっとも重要なプロセスです。
適切なキーワードを選定することで検索エンジン経由での新たな顧客獲得につながり、またそのジャンルにおける検索エンジンからの評価獲得にもつながります。
今回はSEO対策において、キーワード選定が重要である理由についてお伝えしていきます。
キーワードを間違えると、すべて水の泡
まずもっとも認識しておきたいのは、キーワード選定を間違えると、その後にいくら頑張っても水の泡になってしまうということです。
たとえば商品の固有名詞のような即購入につながりそうなキーワードであったとしても、商品がまったく認知されていなければ、検索エンジンに商品名を入力して検索する人はいませんよね?
なのでいくら商品名をキーワードとして狙って記事を書いても、期待するような成果にはつながりません。
また多くのページビュー(PV)を獲得できるキーワードがあったとして、そういうキーワードはほとんどの場合、競合他社も狙っています。
そうすると当然、SEOでの上位獲得の難易度が高くなるわけで、ここばかり攻めても思うような結果にはならないでしょう。
あと誤解しやすいのが、「とりあえずPVだけ稼げればいい」と考えてキーワードを選定してしまうことです。
自分の商品を売りたいのに、まったく関係ない芸能人のゴシップネタで人を集めても意味がありません。
あくまでも商品に関心がありそうな人を、できるだけたくさん集めること。
キーワード選定においては、その軸をぶらしてはいけません。
理想の顧客に出会うための布石
キーワードを選ぶということは、どんなお客さんと出会いたいかのメッセージと考えてください。
たとえばホームページ制作会社が集客するとして、「ホームページ制作 格安」みたいなキーワードでSEO対策をしたとします。
そうすると当然、出会えるお客さんは「お金をかけずにホームページを作りたい」と考えている人ということになります。
つまりお客さんのニーズとしては、集客力や成約率などのホームページのパフォーマンスよりも、制作費用や維持費をできるだけ抑えることの方が重要だと予想できます。
そのため、もしこのホームページ制作会社がパフォーマンスを重視した制作を強みとしている場合、どんなにSEOを頑張っても理想のお客さんに出会うことが難しくなってしまうのです。
そうならないためにも、キーワード選定を行う際には、自分にとっての理想の顧客像をイメージし、その人が求めているであろう情報とか、抱えている問題・課題について理解を深めていく必要があります。
そのプロセスを経てたどり着いたキーワードと、なんとなくツールを使って収集したキーワードとでは、手にできる成果は段違いになるはずです。
ネットユーザーや検索エンジンからの認知獲得
一定の方向性をもってキーワード選定ができると、ネットユーザーや検索エンジンから「〇〇のサイト」として認知を獲得することができます。
あなたも自分の悩み・解決したいことについてネットで調べていたら、とあるサイトのページをよく目にするということがあるのではないでしょうか?
そうすると、そのサイトに親近感を持ったり、好意的な印象を持ったりしますよね。
これはザイアンス効果(単純接触効果)や返報性の原理などが働くことが理由で、人間は接触回数が多いものに好感度や関心が高まり、また他者から施しを受けると何かお返しをしたい気持ちになるわけです。
キーワード選定がうまくできていると、商品に関心を持ちやすいユーザーと何回も接触することになり、それだけで親近感・好印象を持ってもらえるようになります。
その上で記事によって有益な情報の提供を繰り返すことで、何かお返しをしたいという気持ちが高まり、商品を購入してくれやすい関係性を築くことができるわけですね。
またキーワード選定に一貫性があると、検索エンジンはそのサイトの専門性を高く評価するようになります。
「E-E-A-T」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これは「Experience(経験)」「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」のことで、検索エンジンがサイトの品質を評価する際の基準となるものです。
キーワードに一貫性があれば専門性の向上につながりますし、キーワードに沿ったコンテンツを実体験を交えて発信することで、経験の評価につながります。
そして自身の専門性と経験に基づいた情報発信を継続することで信頼性を獲得し、その積み重ねが、その分野における権威性を構築していきます。
つまり、E-E-A-Tのはじめの一歩は、キーワード選定にあると言えるわけですね。
キーワード選定は適当にしないで
SEO対策というと、活発な情報発信によって、とにかくPVを集めようという意識になってしまいがちです。
でもその方向性が間違っていると、すべての努力が無駄になってしまいます。
キーワード選定は、これから自分がどの方向に船を漕ぎ出すかと決める重要な作業です。
何となくの浅い想像で選ぶのではなく、顧客になるであろう人(=自分の商品で問題解決できる人)の悩みや欲求を理解し、気持ちに寄り添った上でキーワードを選んでいくことが大切になります。