Web制作会社に依頼するにしても自分で作るにしても、ホームページを制作するのは骨の折れる作業です。
実際にやってみると、驚くほど準備する資料や素材(写真など)は多いですし、制作にかかわるメンバー間でのコミュニケーションがうまくいかないこともよくあります。
そのためホームページを公開しただけで満足してしまう人も多いのですが、残念ながらそれでは期待するような成果は出ません。
今回は、多くの人が知らないうちにやっている、ホームページ制作における間違いを18個ピックアップしてお伝えしていきます。
【知らないと怖い】ホームページでやってはいけない16の間違い
ホームページ設計でやってはいけない間違い6個
スマホファーストの設計になっていない
Googleは2018年3月末から、モバイルファーストインデックスに移行しました。
つまり、サイトの評価がPC用ページではなくモバイル(スマホ)用ページを基準に行われるというわけです。
たとえばPCサイトとスマホサイトを別々に用意していた場合、以前はPCサイトは十分な情報量があっても、通信速度や画面サイズなどの関係でスマホサイトは「PCサイトの簡略版」みたいな作りのサイトが多くありました。
その場合、モバイルファーストインデックスでは品質的に不十分なスマホ用ページが評価の基準になってしまい、結果として検索順位によくない影響を及ぼしてしまう可能性があります。
またスマホサイトでは、指先での操作のしやすさなどのモバイルユーザビリティも見られています。
文字が小さすぎて読めなかったり、リンク要素同士が近すぎて誤クリックを誘発しやすい場合は、マイナス評価になります。
ところがWeb制作の仕事をしていると、「スマホ表示のことはまぁいいから」と言われるクライアントが結構います。
それだけでなく、本来はそういう認識を改めてもらうよう動かなければならないはずのWeb制作会社でさえ、スマホ表示を軽視しているところもあります。
以前、地元(愛知)のWeb制作会社の社長&社員とまとめて話したことがあるのですが、その会社では制作の際にスマホ用のデザインは制作せず、PC用デザインをもとに“なんとなく”レイアウトし直すそうです。
アクセス解析をやっている人なら分かると思いますが、最近ではPCよりもスマホからのアクセスの割合が大きいサイトがほとんどです。
僕の運営しているサイトでも、88%のユーザーがスマホからアクセスしているものがあります。
もちろんジャンルによってはいまだにPCの方が大きいサイトもありますが、Web制作全体の動向として、今後はよりスマホファーストでの設計が重要になってきます。
なんとなくデザインから作り始める
「ホームページを作る」と聞くと、まず何をイメージしますか?
たぶん多くの人が、イラストレーターなどのデザインソフトで作業することを考えるのではないかと思います。
でも実際には、それはホームページ制作の後半以降の工程です。
ホームページを作る際に、まずはじめにやること。
それはホームページを運営する「目的」を明確にすることです。
- ホームページで申し込みを増やしたい
- 既存顧客との関係を深めたい
- とりあえず名刺代わりに持っておきたい
どんな目的でもいいです。
やってはいけないのは、目的も決めずに何となくホームページを作って、何となく運営を開始してしまうことです。
そうなれば、ほぼ100%の確率で、近い将来放置することになります。
ホームページを運営する目的がハッキリしていれば、そのためにはどんなコンテンツが必要なのか、どんな機能を実装すれば運営しやすいのかなどが自ずと見えてきます。
必要なコンテンツが洗い出せたら、次はそれをユーザー(ホームページを見る人)が分かりやすいように整理して配置していきます。
そうした「設計」という工程を踏んで、やっとデザイン制作という作業に入れるわけですね。
もちろん多くのWeb制作会社では、細かい違いはあれど、基本的にはこういう手順で制作しています。
しかし中には、ろくに設計も考えずにいきなりデザインを作り始めたりするところもあります。
たとえばサイトのリニューアルを依頼したときに、「現行サイトを参考に制作を進めます」なんていうところは要注意です。
依頼する側からすれば、「資料の準備とかしなくていいからラクだな」と思うかもしれませんが、言い方は悪いですがお金をドブに捨てているようなものです。
当たり前ですが、現行サイトを参考にして作ったサイトが、現行サイトを超えることはありません。
サイトをリニューアルするのは、現在何らかの問題や課題があるからです。
現行サイトを参考に制作すれば、そうした問題・課題を引き継いだまま見た目だけ着せ替えることになり、しかも多くの場合はリニューアル前よりも劣化します。
リニューアルして、
- 検索順位が下がってしまった
- お問い合わせが減ってしまった
なんてことが起こるのは、こういうケースのときです。
ペルソナがぼんやりしている
ホームページには目的があることが重要、という話をしました。
そしてホームページの目的の多くが、「誰か」に「何か」を伝えることです。
その「誰か」というのが、「ペルソナ」と呼ばれるものです。
ペルソナとは、簡単に言えば「理想的なユーザー像」というような意味です。
ホームページで商品・サービスを販売するのなら、その商品をもっとも求めているであろう人物のことです。
ペルソナの
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 趣味趣向
- ライフスタイル
- 人生観
- 価値観
- 学歴
- 休日の過ごし方
といった人物像をリアルに描き出すことで、ホームページで伝えるメッセージを強力にすることができます。
逆に言えば、ペルソナがぼんやりしていれば、ホームページもぼんやりしたものになってしまうということです。
あなたのホームページが「20~60代の男女」を対象にしている場合、ペルソナを設定することで確実にブラッシュアップすることが可能です。
ホームページであなたの想いを伝えたいのは、誰なのか?
もう一度考えてみましょう。
ページ表示が遅すぎる
Googleは現在、ページの表示速度を重要視しているようです。
それが証拠に、サーチコンソールにもページ表示速度をチェックする機能が追加されました。
ユーザーがホームページにアクセスする環境は様々です。
どんな通信環境でも、できるだけ快適に閲覧できるようにページ速度には気を配りましょう。
なお、一昔前はページ読込中にローディング画面を表示するサイトがよくありましたが、現在はあまりおすすめできません。
なぜならローディング画面は表示されている間、ユーザーは何もすることができないからです。
そうなれば、待ちきれないユーザーは間違いなくサイトを離れてしまいます。
ファーストビュー(=サイトにアクセスして最初に表示される領域)のCSSをインラインで記述する、外部読み込みファイルを圧縮するなどしてページの表示に時間が掛かりすぎないようにしましょう。
ページを開くと音楽が流れてしまう
アクセスすると音楽が流れるホームページがありますが、あれで喜ぶ人はいませんのでやめましょう。
背景に動画を設置する場合には必ずデフォルトをミュートにしておき、ユーザー側で音声のON/OFF、ボリュームを調整できるようにしておくといいでしょう。
ホームページを作る上で大切な考え方として、「ユーザー目線に立つ」というものがあります。
ホームページはあなたのものですが、「誰のため」のものかと言えば、それはユーザーです。
ユーザーが使いやすく、知りたい情報にすぐたどり着くことができるのが、ホームページのあるべき姿です。
2020年以降5Gが普及し、これまでとは比較にならないほどの大容量データを高速で通信できるようになります。
そうなれば今後、動画や高解像度画像だけでなく、3DやVR/ARなどのコンテンツがホームページに活用されるようになってくるでしょう。
そういう新しい技術を積極的に取り入れていくことはとても大切ですが、同時にこれまでもこれからも、ユーザーは様々な場所・状況でホームページにアクセスしていることを忘れないようにしたいです。
もしかしたらある人は電車の中で見ているかもしれないし、またある人は(いいか悪いかは別として)仕事中にコッソリ見ているかもしれません。
そんなときに、自分の意思とは関係なくホームページから音楽が流れたらどうでしょう?
「ユーザーが快適にホームページを利用するには?」を、いつも意識しておきましょう。
マイナーCMSの導入
Web制作会社が独自に開発しているなど、一般的ではないCMSの使用はできるだけ控えましょう。
そういう類のCMSをここでは「マイナーCMS」と言わせてもらいますが、マイナーCMSは独自の仕様で制作されているものが多く、たとえばWordPressなどの別のCMSに乗り換えることが難しくなります。
独自CMSを開発しているWeb制作会社の思惑もここにあり、マイナーCMSによってクライアントを囲い込むことで、別の業者への「乗り換え障壁」を作り出しているわけです。
もちろん内部SEO対策や特定の業種に合わせた仕様など、マイナーCMSそれぞれに特徴があるのかもしれません。
しかし言ってしまえば、それらの機能に大した違いはなく、WordPressなどのメジャーなCMSを土台にして構築することが可能です。
それらの機能が使えるというメリットよりも、そのマイナーCMSに依存してしまうデメリットの方が大きいわけです。
また、WordPressに独自機能を追加してオリジナルCMSという形で売り出しているところもあるのですが、これも正直言って「そこでなければ実現できない」というようなものでないことがほとんどです。
僕も以前気になって、そういう会社が開催している説明会に潜り込んだことがあるのですが、WordPressの既存プラグインで実現可能な機能をCMS本体に組み込んだという程度のものでした。
なお「WordPressはシェアが大きい分、セキュリティの脅威に晒されやすいのでは?」と心配するかもしれません。
たしかに攻撃する側からすれば、シェアの大きいWordPressのを対象にすればより多くのサイトにダメージを与えられるわけですので、ターゲットにされやすいと言えます。
だからと言って、マイナーCMSがセキュリティに強いというわけではありません。
あくまでも「狙われにくい」というわけで、WordPressよりもセキュリティ面で強いという保証はどこにもないわけです。
もっとも、何のセキュリティ対策もせずにWordPressを利用するのはおすすめできません。
- SiteGuard WP Pluginなどのセキュリティ対策プラグインを導入する
- WordPress本体やプラグインのバージョンを最新に保つ
- 不要なプラグインは削除する
- エディターやウィジェットでPHPを利用可能にするプラグインを使用しない
- wp-config.phpのパーミッションを「400」または「600」に変更
など、最低限のセキュリティ対策はしておくようにしましょう。
SEO対策でやってはいけない間違い7個
ろくに更新しないで放置している
継続的な情報発信をしなければ、検索エンジンからの評価は下がっていきます。
これは言ってみれば当たり前の話で、いくら価値のある情報を掲載していたとしても、古い情報であれば正確性・信頼性に欠けてしまいます。
そのため検索エンジンは、情報をどんどんアップデートしているサイトほど評価する傾向があるわけです。
また継続的な情報発信は、リピーターの獲得につながります。
あなたも経験あるかもしれませんが、毎日更新しているサイトって「今日は何が書いてあるかな?」とちょくちょく訪問しますよね。
SNSを毎日何回ものぞいてしまうのは、その度に新しい情報に触れることができるからです。
そんな感じで、ユーザーにとってアクセスするのが習慣になるとSEO的な評価もよくなりますし、ユーザーからの信頼度も上がっていきます。
ちなみに僕は毎日更新を1年くらい続けて月間20万PVまで育てたブログがあったのですが、その後更新頻度を3~4か月に1回まで落としたところ、3年経った今では月間3万PVまで落ちています。
そのブログは全ユーザーの6割超がリピーターだったので、放置したことで検索エンジンからの評価が下がったのはもちろんのこと、リピーターの離脱が響いていると思われます。
定期的な情報発信、できれば毎日更新していくことがいかに大事かが分かるいい例ではないでしょうか。
なおそういう理由から、ホームページにはブログコンテンツを設置するのが効果的です。
それも無料ブログサービスのような外部のものではなく、ホームページの中(=同ドメイン内)にWordPressなどのCMSを利用して構築するようにしましょう。
外部ブログサービスだと、いくらコンテンツ(記事)を増やしてもホームページのSEO的な評価が上がらず、資産として育ちません。
コンテンツを増やしてドメインの評価(ドメインパワーと言ったりします)が上がると、ページごとの検索順位も上げやすくなるので、長い目で見たときに大きな違いが出てきます。
よく分からずにSEO業者に依頼する
SEOについてよく分からない状態で、SEO業者に依頼するのはやめましょう。
SEO業者とは特定のキーワードで検索結果の上位に表示されるように、ホームページへのSEO対策を代行してくれる会社です。
月額制とか成果報酬というような料金体系を取っているところが多く、月額のところは成果が出ても出なくても料金が発生、成果報酬のところは狙ったキーワードで上位表示された場合に料金が発生する仕組みです。
これだけ聞くとありがたいサービスのように思えますが、実際には大してニーズのない(=売り上げにつながらない)キーワードで上位表示して成果としたり、Googleに見つかればペナルティを食らうような施策を平気でするような業者もいます。
そういう業者に引っ掛からないためにも、SEOの独学は必須です。
SEOについて知っていれば、業者に依頼するにしても
- どんな施策をするのか?
- どんなキーワードを狙うのか?
などを確認して、本当にメリットがあるのかを判断することができます。
また、あなたの商品・サービスについて一番詳しくて、熱意もあるのはあなた自身です。
そのためニーズはあるのに競合は少ない、いわゆる「お宝キーワード」も、SEO業者よりもあなたの方が見つけやすいと言えます。
そこであなた自身がSEOについて分かっていれば、より効果的な施策をすることも可能なわけです。
一応言っておきますが、世の中のSEO業者がすべてダメというわけではありません。
僕が言いたいのは、有益な施策をしてくれるSEO業者がいる一方で、意味がないどころか、ホームページに取り返しのつかないダメージを与えてしまう業者もあるということです。
以前、地元(愛知)のSEO業者の社長と話す機会があったのですが、その人は15年くらい前のノウハウを得意気に語っていて、リアクションに困ったことがあります。
実務は従業員がやっているという言い訳ができるのかもしれませんが、それにしてもノウハウがかなり前で止まっていて、しかもそれでも依頼する人がいるというところに、闇の深さを感じざるを得ません。
SEOは何となく難しいイメージもあるでしょうし、日々の業務に追われてなかなか勉強する気になれないかもしれません。
でも言葉を選ばずに言えば、SEO代行サービスは「情弱ビジネス」として成り立ちやすい側面があるのも事実です。
よく知らずにSEO業者に依頼することで何十万円も無駄にしてしまったという体験談もネット上にはたくさんあります。
情報弱者として「カモ」にされないよう、基本的なこと(やるべきこと・やってはいけないこと)だけでも頭に入れておきましょう。
近い将来、SEOは不要になる?
とはいえ、ここまで言ってきたことと矛盾するようですが、最近では検索エンジンの性能がどんどん上がっており、近い将来にはおそらくSEOは不要になる(少なくとも重要度は大きく下がる)と僕は考えています。
そもそもですが、情報自体の価値とSEO的な評価というものはあまり関連がありません。
ちょっと前まで文章が長いほどSEOに有利などとされ、実際にその方が検索結果の上位に表示されたりしていました。
しかし当たり前ですが、文章の長さと情報の価値は関係がありませんよね。
知りたいことがあって検索したのに、関係ないことをダラダラ書かれて知りたいことが見つからないより、結論だけスパンと書かれていた方が情報の有益性は高いはずです。
ところが検索エンジンでは、「文章が長い=情報がいっぱい=有益な情報が書かれているはず!」という理屈で、長文コンテンツを評価していました。
その結果、検索結果の上位にどうでもいいようなこともたくさん詰め込んだページばかりが表示されるようになってしまったわけです。
そんなわけで、現在では長文だからと言ってSEOに有利なわけではありません。
検索エンジンの方も試行錯誤しているので、さっきも言ったように性能がどんどん上がっています。
そのため、ユーザー目線で有益な情報を発信していれば、見出しがどうとか気にしなくても評価されるようになってくるはずです。
常時SSL化していない
「常時SSL化」または単に「SSL化」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、これはホームページ上のすべてのページにおいて通信を暗号化し、個人情報等などを保護するためのものです。
常時SSL化されたホームページは、URLが「https://~」となり(常時SSL化されていないと「http://~」)、ブラウザのアドレスバーに南京錠のアイコンが表示されたりします。
Googleは現在、検索結果で常時SSL化されたサイトを優遇しており、SSL未対応なだけでSEO的にも不利になると考えられます。
またGoogle Chromeをはじめとしたモダンブラウザでは、常時SSL化されていないサイトにアクセスすると「保護されていない通信」というような警告がアドレスバーに表示されます。
そのため、常時SSL化が何か知らないユーザーにも「安全性に問題があるのでは?」という印象を持たれてしまいます。
最近では無料で常時SSL化できるレンタルサーバーがほとんどですので、必ず設定しておきましょう。
もしこれからサーバーをレンタルするのであれば、エックスサーバーがおすすめです。
大手レンタルサーバーでは、どこでもWordPress自動インストールや自動バックアップ、無料SSL化などの機能は標準で用意されていますので、その部分ではあまり違いはないかもしれません。
しかし動作の安定性や管理画面の使いやすさ、トラブル時のサポートなどの面ではエックスサーバーがベストだと思います。
僕も以前サポートのお世話になりましたが、レスポンスが早く対応も丁寧で助かりました。
また、新しい技術への対応も比較的早い印象です。
独自SSLの無料提供に関しても、ヘテムルやさくらインターネットが2017年10月に提供開始したのに対し、エックスサーバーは2016年6月末の時点で開始しています。
ちなみにヘテムルでは契約途中のプラン変更ができなかったり、新サーバー移設などの作業をユーザー側に負担させたりと、「どうなの?」と思うことがあります。
またさくらインターネットはコスパで考えれば悪くはないのかもしれませんが、不具合が起こりやすく知識があまりない人には厳しい印象です。
実際、「サイトが動かなくなった」などのトラブル解消系の依頼も、さくらのサーバーを使っている場合が多いように思います。
混合コンテンツ
常時SSL化の話をしましたので、ついでに混合コンテンツについても触れておきます。
GoogleはChromeのバージョン79から段階的に、混合コンテンツをブロックするようになります。
混合コンテンツとは、SSL化されているページ(URLがhttps://~)からSSL化されていない画像や動画、JSファイル(URLがhttp://~)などが読み込まれているものを言います。
ということです。
混合コンテンツがブロックされるようになると、httpsのページでhttpの画像が読み込まれている場合、その画像が表示されなくなってしまいます。
Chromeのバージョン79が2019年12月にリリースされる予定で、完全にブロックされるバージョン81が2020年2月にリリース予定なので、遅くともそれまでには対応しておくといいでしょう。
なおChromeによる混合コンテンツのブロックに合わせて、検索エンジンのクローラー(巡回ロボット)にも影響する可能性があるようです。
平たく言えば、SEO的によくないというわけです。
すでに一部の混合コンテンツはChromeで読み込まれなくなっているようですので、できるだけ早めに対応しておいた方がよさそうですね。
トップページがスッカスカ
コーポレートサイトにありがちですが、トップページに「お知らせ」くらいしかコンテンツがない(=内容が薄い)というのはよくありません。
「重要な情報は下層ページに掲載してるから、トップページに載せるコンテンツがない」というのは大きな勘違いです。
トップページはサイト全体の顔であると同時に、各下層ページへのハブの役割を担っています。
ホームページにアクセスする人は最初にトップページを訪れると思われるかもしれませんが、実際には検索エンジンを経由して下層ページのどれかにたどり着きます。
そして、そこからさらに他の情報を知りたいと思った場合、ヘッダーのリンクなどからトップページを訪れるわけです。
ということは、トップページからサイト内のすべてのページへスムーズにアクセスできる構造にしておくのが理想的ということになりますよね。
もちろん様々な理由で、そういう構造が不可能なこともあります。
その場合でも、できるだけニーズの高いページだとか、売り上げにつながりやすいページへ誘導できるよう設計しておくことが大切です。
そのためにも、アクセス解析をして「どのページにユーザーを誘導すべきか?」などを把握しておく必要があるわけですね。
リンク集を設置している
だいぶ昔の話になりますが、ホームページには当然のように「相互リンク集」みたいなページが設置されていました。
しかし現在では、検索エンジンの評価を下げる要因になりかねません。
なぜなら、関連性の低いリンクや大量の発リンク(こちらから他サイトへのリンク)は、SEO的によくない影響があるとされているからです。
またリンクが密集しているのも、同じく評価を下げる要因になります。
そのため相互リンク集だけでなく、サイドバーにリンク一覧を設置したりというのもやめた方がいいでしょう。
しかもサイドバーにリンク一覧を設置した場合、サイト内のほとんどのページからリンクを送ることになるので、低評価されたときのダメージが大きくなります。
SEO的に評価される発リンクは、「自然な文脈の中で発生するリンク」です。
つまり、あることについて解説しているページで、それについての補足的な情報が掲載されているページにリンクするとか、ユーザーの利益を最優先に考えたときに、必要だと思われるリンクのことです。
ちょっと考えてみてほしいのですが、相互リンク集とかサイドバーのリンク一覧って、本当にユーザーのためになっているでしょうか?
サイト運営者同士の付き合いだったり、ユーザーのニーズではなく運営者の都合で設置されているケースが実は多いのです。
リンク集を絶対設置してはいけないということではありませんが、それが本当に必要なのか、本当にユーザーのメリットになるのかを考えるようにしましょう。
URLを正規化していない
「URLの正規化」って聞いたことはあるけどよく分からない、という人も多いかもしれません。
Webページはユーザーがどんな経路でたどり着いたかによって、URLが変わってくるケースがあります。
例えばトップページのURLが「https://example.com/」だったとして、あるユーザーが下層ページからナビゲーションメニューをクリックしてトップページにアクセスした場合、URLが「https://example.com/index.html」になったりします。
その他にも、「www」のアリ・ナシとか、サイト内検索からたどり着いた場合には検索語句がURLに追加されたりすることもあります。
そんな感じで、一つのWebページに複数のURLが付与されるわけですが、それの何が問題かというと、URLが複数になることによってSEO的な評価が分散される恐れがあるからです。
そういう自体を避けるために、「このページのURLはコレですよ」と指定するのが「URL」の正規化というわけです。
具体的には、HTMLのhead要素内でCanonical属性として正規のURLを指定します。
Canonical属性の記述方法やWordPressでの設定方法については、以下のページで解説しています。
ホームページ運営でやってはいけない間違い3個
アクセス解析をしていない
分析するためのデータがなくして、改善はできません。
ですので、ホームページを運営するからにはアクセス解析は必須です。
ホームページの公開に合わせてGoogleアナリティクスとサーチコンソールの設定はしておきましょう。
この2つを設定しておくことで、
- どれくらいの人に見られているか?
- どのページでユーザーが離脱しているか?
- 使いにくいところはないか?
- どんなキーワード(クエリ)から流入があるか?
- 検索結果ページに何回表示されているか?
- どんなデバイスでアクセスされているか?
- どこから(国・市町村)アクセスされているか?
- どんなサイトからリンクされているか?
など様々なデータが手に入ります。
たとえば検索結果にたくさん表示されているのにクリック数が少ないという場合、
- 検索順位が低く、ユーザーに視認されていない
- ユーザーに「読みたい」と思われていない
という可能性が考えられます。
そのため対策としては、
- 検索順位が上がるようにページ内容を修正する
- タイトルやディスクリプションを修正する
などが考えられますよね。
データがあれば、こんな感じで対策を立てられるわけです。
そうすると同じ労力でも、より効率的にホームページを育てていくことができます。
他サイトからの画像無断転載
言うまでもないことですが、他のサイトで掲載されている画像を無断で転載してはいけません。
ところが、「~から転載」とでも書いておけば問題ないと誤解している人が結構いるようです。
個人ブロガーとかであれば百歩譲って仕方ないかなとも思いますが、大手メディアサイトやWeb制作会社の運営するサイトでも意外とやらかしていることがあります。
またよくあるのが、ライセンス表記が必要な無料画像を表記なしで使ってしまうケースです。
「無料=どんな使い方をしてもいい」というわけではないので、事前に配布元の規約などに目を通して必要な記載をするようにしましょう。
聞いた話ですが、有料写真素材サイトのカンプデータ(購入前に仕上がりを確認するための仮データ)を使用したままサイトを公開したら、迷惑料として数十万円請求されたケースがあります。
もちろん無断で使用した側に非があるので、配布元のそういう対応は当然です。
配布元は写真・イラストの販売で収益を上げているわけですし、もっと言えばその写真を撮影したカメラマンにも失礼です。
クリエイターを尊重して、払うべきものは払いましょう。
他のサイトから文章をコピー
画像と同じく、他のサイトの文章をコピペして掲載するのもNGです。
引用する場合にはblockquoteタグまたはqタグで該当の文章を囲み、引用元を明記しておきましょう。
他サイトからの文章コピペは著作権侵害などの問題もありますが、SEOの面でもネガティブに働く恐れがあります。
上でも触れましたが、ちょっと前まで「長文SEO」とか言ってページの文章が長いほどSEOに有利とされる時期があったため、テキストを他から引っ張ってきてかさ増ししようと考える人がいました。
僕も何度かやられたことがあるのですが、ひどいとサイト丸ごとパクってコピーサイトを立ち上げる人がいます。
もしかしたら短期的には収益になるのかもしれませんが、長期的な収益化は間違いなく無理です。
そしてホームページのメリットは、長期的に運営するほど大きくなります。
そういう意味でも、他からのコピペではなく、独自のコンテンツを大切にしていきましょう。
まとめ
以上、ホームページでやってはいけない16の間違いについてお伝えしました。
これまでいろんなクライアントや制作会社と関わる中で知った「やってはいけないこと」を思いつくままに列挙しましたが、予定より大幅にボリュームが増えてしまいました。
しかしどれも大事なことなので、あなたのホームページでやらかしていないか一つずつチェックしてみてください。