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Webとは現実世界と相互に作用し合う「拡張現実」である

Webが僕たちの生活になくてはならないものとなり、しばらく経ちました。

分からないことを検索エンジンで調べたり、ベッドに寝転がりながらボーっとスマホを眺めたり、一日の大半をWebと過ごしているという人も多いと思います。

今回はこの、当たり前の存在になりすぎた「Web」というものを通して、Webサイトをはじめとしたコンテンツの在り方を改めて考えてみようと思います。

Webとは現実世界と相互に作用し合う「拡張現実」

あなたはWebと聞いて、どんなイメージをするでしょうか?

「全世界の情報を網羅した大きな図書館」みたいなものとか、「世界中にクモの巣のように張り巡らされた光の糸」みたいなものを想像するかもしれませんね。

実際のところWebを漁れば大概のことは分かりますし、遠く離れた人とでも瞬時にやり取りできるため、これらのイメージもWebというものを的確に捉えていると思います。

しかしWebには多くの人が気づいていない、もしくは気づいていても重要だと思っていない隠れた顔があります。

それは私たちが生きている現実世界と相互に作用し合う、「もう一つの世界」という側面。言わば「拡張現実」とも表現できる性質です。

昨今言われている拡張現実(AR)は「実在する風景にデジタルの視覚情報を重ね合わせる」という技術のことなので、それと少し異なりますが、「私たちが生きている現実世界の情報を引き継いだ状態で活動する空間」ということで言えば、拡張現実と表現できると思います。

そして重要なのは、現実世界での活動がWebの世界にも影響し、反対にWebでの活動も現実世界に影響するということです。

アルバイトの悪ふざけ動画が炎上してクビになるのは、まさにこの現実世界とWebとのリンクによるものです。

コンテンツ、コンテンツ、そしてコンテンツ

その他にも、Webの性質として特筆すべきことが3つあります。

コンテンツを増やすほど、影響力も強くなる
現実世界での自分の領域は物理的に接触できる範囲に限られます。しかしWebでは自分のコンテンツが増大するにつれ、影響力を発揮できる領域も拡大していきます。
コンテンツの再利用が可能
一度Webに生み落としたコンテンツは、劣化することなく持続されます。つまりコンテンツの再利用が可能であり、ひとつのコンテンツが数千や数万、ときにはそれ以上の人たちに届くこともあります。
コンテンツが増えるほど、無限に広がる
「物理世界と情報世界」なんて表現されることもありますが、僕たちが存在している現実世界に物理的な制限があるのに対し、Webの世界には制限がありません。Web上にある情報が増えるほど、その領域も際限なく拡大していきます。

コンテンツが増えるにつれて影響力が強くなるのは、Googleをはじめとした検索エンジンとTwitterやInstagramなどのソーシャルメディアによるところが大きいです。

たとえば現実世界で街頭演説したとして、自分の声が届くのはせいぜい数百人、よくて数千人というところです。しかもそのすべての人が、自分の話に興味を持ってくれるとは限りません。

しかしWebではコンテンツを増やせば増やすほど、自分の声が届く領域も大きくなっていきます。しかも検索エンジンやソーシャルメディアによって、自分のコンテンツに興味のある人だけを集めることができる仕組みになっています。

またコンテンツの再利用が可能であるというのは、一度生み出したコンテンツがたくさんの人に届き、同じ価値を提供するということ。

これは「現実世界では1の価値を1としか交換できないのに対し、拡張現実では1の価値を100にも1000にもできる」ことを意味しています。

Web上にあるあなたのコンテンツは拡張現実でのあなたの存在を増大させ、それに呼応して現実世界でのあなたの影響力も強くなります。

好例なのが、インフルエンサーです。

彼らは現実世界では他の人と変わらない一個人であることがほとんどですが、Web上での影響力が大きく、その発言が商品やサービスの売上を左右したり、ときには世論を誘導することさえあります。

つまりWebという拡張現実をうまく利用することで、個人が大企業を凌ぐほどの力を持つことだって可能になっているのです。

Webサイトはもはや、ただの集客装置ではない

ここまでお話しした内容を踏まえ、今の時代におけるWebサイトというもの役割を考えてみたいと思います。

これまで多くのビジネスパーソンにとって、Webサイトは「集客装置」もしくは「Web上の資産」とでも定義されるものでした。実際そうした機能は今でも健在で、Webサイトを活用することで集客力を強化したり、継続的な不労収入を得ている人は大勢います。

しかしそれはWebサイトが持つ可能性の、ほんの一部に過ぎません。Webサイト、そしてその周辺に配置したブログやSNSなどをうまく機能させれば、自分がつながりたい性質・属性の人との出会いを効率的に作り出すことができるのです。

もちろん的確に運用できてこそですが、今の時代のWebは単なる集客手段ではなく、「人との出会い」にかかわる人生において重要なツールともいえるわけです。

Webサイトは拡張現実に存在する、もう一人の自分

そう考えると、Webでの活動をただの情報発信と捉えるのはもったいないです。

自分の好きなことや大切にしている価値観など、あらゆる情報をコンテンツとしてWeb上に表現していく。それにより、一層高い精度で出会いを引き寄せることができます。

いわばWebサイトは、Webという拡張現実に存在する「もう一人の自分」です。

そのつもりでブログやSNSで自分の考えを表現し、それに共感した人とつながっていく。そしてその中からお客様となってくれる方と出会えたり、逆にあなたが心底好きになれる人やサービスと出会えたりするようになるのです。