JOURNAL クリエイティブとマーケティングの話

Web広告とは?中小企業・個人事業主向けに種類や特徴をまとめてみた

Web集客にはいろいろな方法がありますが、中小企業や個人事業主にとってはSEO対策とWeb広告運用に取り組むのが現実的です。

SEO対策は低コストで取り組めるため実践している方も多いと思いますが、お金が掛からない反面、効果が出るまでに時間が掛かるというデメリットがあります。

そこでおすすめしたいのが、最初はWeb広告をメインに集客し、SEO対策の効果が出てきたら比重を徐々に移していくという方法です。

しかしWeb広告は費用が掛かる上に難しいイメージがあるため、何となく敬遠してしまっている人も多いと思います。

ということで今回は、Web広告運用の基本的な考え方、種類や特徴などについて整理していきたいと思います。

Web広告運用の基本的な考え方

Web広告を運用する上でまずハッキリさせておきたいのが、「誰に向けて、どこで出会い、どう伝えるか?」ということです。

つまり、以下の3つがうまい具合に噛み合うよう設計することが大切になるわけですね。

  • 顧客心理の理解
  • 広告出稿する媒体
  • ランディングページ

これらはどれがより重要ということではなく、顧客に合わせて出稿する媒体を選び、媒体に合わせてランディングページの内容を検討し…… というような形で連動しているイメージです。

顧客心理の理解

顧客心理とは、お客様が生活の中でどんなことに悩み、どうなりたいと考えているかということです。

顧客心理への理解が深まるほど、お客様がよく利用している商品やサービス、ライフスタイルなどが見えてきます。

たとえば20代の35%はInstagram経由で化粧品を購入した経験があるというデータがあります。

そのため、20代をターゲットとした化粧品の広告を出すのなら、Instagramが効果的だと予想できるわけです。

なお顧客心理を理解するには、ペルソナマーケティングという手法がおすすめです。

以下の記事にまとめていますので、よかったら読んでみてください。

広告出稿する媒体

Web広告には大きく分けて、リスティング広告とSNS広告の2つがあります。

リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンを利用した際に検索結果などに表示される広告です。

SNS広告は、TwitterやInstagramなどのタイムラインの中に自然な形で挿し込まれる広告のことです。

それぞれに特徴があるわけですが、両者のもっとも大きな違いはユーザーのニーズが顕在化しているかいないかです。

ユーザーが検索エンジンを利用する際、「何か分からないことを解決したい」というニーズがハッキリしています。

一方でSNSは問題を解決したいというより、他のユーザーの投稿をチェックしたり、「何か新しいもの・気になるものはないか」と漠然と情報を探すような利用が一般的です。

そのため抱えている問題をハッキリ認識していたり、購買意欲の高い状態のユーザーにリーチするにはリスティング広告が効果的と言えます。

対して、自身のニーズをハッキリ認識していないけれど、商品のことを知れば興味を持ってくれそうなユーザーにリーチするならSNS広告の方が効果的と予想できます。

ランディングページ

先にお話ししたように、検索エンジンとSNSではユーザーのニーズや購買意欲に違いがあります。

それでは、その両方のユーザーにまったく同じ内容のランディングページで訴求するのは効果的と言えるでしょうか?

まったく成果がないということはないかもしれませんが、より成約率を上げるなら、それぞれのユーザーに合わせたランディングページを用意した方がいいでしょう。

たとえばリスティング広告からのユーザーは、ニーズが顕在化していたり、すでに商品の購入を検討していたりします。

そのため商品のメリットやお客様の声などをコンテンツとして盛り込んだ、セールス色の強いランディングページでも受け入れられやすいです。

「ランディングページ」と聞いて一般的にイメージされる、縦に長いページのことですね。

しかしSNS広告から訪れたユーザーは、そもそも商品を買う気もなければ、自身のニーズに気づいていないケースが多いです。

そこで売り気の強いランディングページを見せてしまえば、抵抗感を持たれてしまうでしょう。

そのためこの場合は、ブログ記事のような形でコンテンツをまとめ、ユーザーにニーズを認識してもらうことを目的としたランディングページが効果的と言えます。

このようなページは、「記事広告」とか「記事型LP」などと呼ばれることが多いです。

Web広告の種類と特徴

それでは次に、Web広告にはどんなものがあり、それぞれにどんな特徴があるのかまとめていきたいと思います。

なお各広告の機能や仕様は頻繁に変更になるので、ここでは具体的な設定方法や手順については触れません。

リスティング広告

先にWeb広告はリスティング広告とSNS広告に分けられると言いましたが、さらにリスティング広告も検索連動型広告とディスプレイ広告に分けられます。

検索連動型広告

検索連動型広告

検索連動型広告とは、検索エンジンの検索結果に表示される広告のことです。

上の画像のように通常の検索結果と同じような体裁で、見出しの先頭に「広告」と表示されます。

「Web広告」と聞いて真っ先に連想されるのが、この検索連動型広告ではないでしょうか。

検索連動型広告はクリック課金型広告(PPC広告)と呼ばれるもので、表示されただけでは費用は掛からず、ユーザーに広告がクリックされるごとに〇円/1クリックというような形で費用が発生します。

クリック単価は入札によって決まり、より高い金額で入札するほど広告が上位に表示されやすくなります。

しかし単純に入札価格だけではなく、広告の品質スコアなど様々な指標によって掲載順位が決められます。

品質スコアのアルゴリズムの詳細は公開されていませんが、Google広告のヘルプによると以下のような基準が設けられているようです。

  • 広告がよくクリックされている
  • 誘導先サイトに関連するキーワードが広告文に入っている
  • 誘導先サイトの品質が高い

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、検索エンジンと提携しているサイトやアプリなどに設けられた広告枠に自動で表示される広告のことです。

ユーザーが検索したキーワードに関連した広告や、後述するリターゲティング広告などが表示されます。

ディスプレイ広告はユーザーが訪れたサイトの広告枠に表示されるため、何となく、自然な形で広告を目にすることになります。

検索エンジンを利用する人は何か解決したい(=分からない)ことがあると言いましたが、その中でも緊急度や購買意欲に違いがあります。

ディスプレイ広告が効果的なのは、「あるキーワードで検索はしたけれど今すぐ行動するわけではない」という段階のユーザー(見込み客)に向けてです。

そのため、無料サンプルや「ちょっと試してみよう」と思える低価格商品などに向いており、それを入り口としてバックエンド商品の販売へつなげるような流れを考えてみるといいでしょう。

リターゲティング広告

リターゲティング広告はディスプレイ広告の一つで、過去に一度サイトを訪れたユーザーを追跡して広告を表示するというものです。

ある商品の販売サイトを訪れたあと、いろんなWebページでその商品の広告が表示されたという経験はないでしょうか?

それがリターゲティング広告です。

ユーザーが商品を購入する際、類似商品と比較したり検討する期間があるのが一般的です。

リターゲティング広告はその間にユーザーを逃がしてしまわないよう、販売サイト訪問後に追跡し、一定期間は広告が表示され続けるようになっています。

SNS広告

Instagram広告

SNS広告とリスティング広告のもっとも大きな違いは、リスティング広告が顕在的なニーズを持ったユーザーに対して表示されるのに対し、SNS広告は潜在的なニーズを持ったユーザーへリーチするという点です。

つまりSNS広告をクリックしてサイトを訪れるユーザーは明確にニーズを認識しているわけではなく、購買意欲が低い状態であることが多いわけです。

そのためサイトを訪問したその足で購入に踏み切るほど動機が強くないので、ディスプレイ広告と同じように無料サンプルや低価格商品を噛ませてバックエンド商品につなげると効果的です。

近年では検索エンジンの利用時間が減り、SNSを利用する時間が増加していると言われています。

またネットが普及して十分な時間が経った現在では、ユーザーは広告を見慣れており、「いかにも広告」というものは敬遠されやすい傾向があります。

SNS広告は他のユーザーの投稿に混ざって掲載されるため、自然な形でユーザーの目に触れることになります。

そういう面でもSNS広告は、今後より重要な広告手段になっていくと言えるでしょう。

一言でSNS広告といっても、各サービスによって特徴があります。

以下に代表的なSNSであるInstagram、Twitter、Facebook、それぞれの広告の特徴や活用方法についてまとめていきます。

Instagram

Instagramは若者を中心に、現在もっともユーザー数が伸びているSNSです。

ビジュアルコンテンツがメインのサービスなので、写真や動画で訴求できる商品・サービスとの相性がいいと言えます。

また他のSNSのような拡散されやすい仕組みがないので、まずは広告経由でアカウントをフォローしてもらうことを目的とするといいでしょう。

その後はプロフィールのURLやInstagramのショッピング機能からランディングページへ飛んでもらうという導線が考えられます。

Twitter

Twitterは、日本人のユーザー数が世界二位と言われています。

特徴としては何と言ってもリツイートによる拡散力で、「他人に教えたい」と思われるような発信ができればインプレッション数(ツイートの表示回数)を大きく伸ばすこともできるでしょう。

その反面、不用意な発言から炎上につながるリスクも他のSNSよりも高いため、情報の裏を取ったり、誰かを不快にさせるような発信は避けるなどの注意が必要になります。

またTwitterに限らずですが、SNSユーザーの目的はモノを買うことではなく、情報に触れることです。

そのため、Twitter上での直接的なセールスは成果につながりづらいと言えます。

広告を配信するなら、まずはブログへ誘導し、そこからメルマガ登録や記事型LPへという流れがおすすめです。

Facebook

FacebookにはTwitterと同じく拡散されやすい機能(シェアボタン)がありますが、実名アカウントが原則のためTwitterに比べて拡散力は弱めと言えます。

その反面、これも実名アカウントであることが理由ですが、Twitterほど誹謗中傷からの炎上という事態にはなりづらい傾向があります。

とはいえリスクゼロというわけではありませんので、情報発信する際には注意は必要です。

Facebookでは、テキストと画像・動画を組み合わせた広告の配信が可能です。

広告に使用する画像というとキャッチコピーなどを入れたバナー画像をイメージしがちですが、Facebook広告はタイムラインに流れてくるものなので、作り込みすぎないことを意識した方がいいです。

繰り返しになりますがSNSユーザーの目的はショッピングではなく情報収集ですので、広告を配信するにしても「情報を提供する」というスタンスを取るのがおすすめです。

そのため、無料のメール講座やPDFレポートなどを入り口にするといいでしょう。

まとめ

Web広告はめったやたらに出稿するのではなく、顧客や商品の特徴に合った媒体を選ぶことがポイントになります。

また出稿したら「ハイ終わり」ではなく、効果測定を行いチューニングしていかないと、無駄に広告費ばかり掛かってしまうということにもなりかねません。

コストとリターンをしっかり把握し、費用対効果がより大きくなるよう改善していきましょう。