SEO対策でもリスティング広告でも、どんな検索キーワードを狙うかはとても重要です。
検索ボリュームが大きくてもライバルが強ければ上位表示は難しくなりますし、上位表示できても検索ボリュームが小さければサイトのPV(ページビュー)は伸びません。
またPVが増えても、購買につながらないキーワードからの流入ではあまり意味がありません。
ということで今回は、サイトのコンバージョン率を上げるための検索キーワードの収集方法について、基本的な考え方や手順についてご紹介していきます。
ロングテールキーワードをコツコツ狙うのがおすすめ
コンバージョン率を上げるためには、どんな検索キーワードを狙うといいのか?
いきなり結論ですが、ロングテールキーワードがおすすめです。
ロングテールキーワードとは、検索ボリューム(検索される回数)が小さく、2つ以上の単語の組み合わせで出来ているキーワードのことです。
上図のようなグラフにすると検索ボリュームが小さいキーワード(赤い部分)が長いシッポのように見えるため、「ロングテール」と呼ばれているわけですね。
ロングテールキーワードを狙うメリットとしては、おもに以下の3つが挙げられます。
検索意図が分かりやすい
たとえば、次の2つのキーワードがあったとします。
- 空気清浄機
- 空気清浄機 プラズマクラスター
あなたは、どちらの方が検索意図(検索した人が何を知りたいのか)が分かりやすいと思いますか?
単に「空気清浄機」だけでは性能について知りたいのか、それとも価格について知りたいのかなど、いまいち分かりませんよね。
ところが「空気清浄機 プラズマクラスター」であれな、プラズマクラスターが搭載されている空気清浄機について知りたいことが分かります。
これが以下のようになれば、さらに検索意図は分かりやすくなります。
- 空気清浄機 プラズマクラスター 効果
- 空気清浄機 プラズマクラスター 価格
このようにロングテールキーワードはユーザーの検索意図を把握しやすく、その中から購入意欲が高いと予想されるキーワードを重点的に狙うことでコンバージョン率を高めることができるわけです。
ほぼ無限にあるので競争になりにくい
毎日の検索の16%はそれまでになかった新しいキーワードだと言われているように、ロングテールキーワードはほぼ無限にあり、今この瞬間も新しいキーワードが生まれています。
そのためビッグキーワードに比べ競争になりづらく、また仮に競合が現れたとしても他のロングテールを狙って生き残りを図ることができるわけです。
流入経路を分散させることでリスクヘッジになる
ビッグキーワードで上位表示させることができれば、たしかに多くのPVを得ることができます。
しかし検索エンジンのアルゴリズム変更やライバルの出現によって上位表示できなくなった場合、そのPVを失ってしまうことになります。
しかしロングテールキーワードをコツコツと狙っていけば、仮に一つのキーワードで上位表示できなくなったとしても他のキーワードでカバーすることができます。
ロングテールキーワードの収集方法
ロングテールキーワードはほぼ無限にあるため、「あ、こんなキーワードもいいかもな」という感じで狙っていくのも、やり方としてはアリかもしれません。
とはいえ、やはりユーザーが実際に検索した実績のあるキーワードを狙う方が確実かつ現実的だと言えるでしょう。
ということで次は、過去に実際に検索されたロングテールキーワードを収集する方法についてお伝えしていきます。
ツールを使って関連キーワードを取得する
ロングテールキーワードを収集する方法はいろいろありますが、ツールを使って一括で取得するのが効率的です。
ラッコキーワードという無料サービスを利用すれば、関連するキーワードを大量に取得することができます。
ラッコキーワードの検索窓に、狙いたいメインキーワードを入力します。
たとえば空気清浄機を販売したいのであれば、そのまま「空気清浄機」と入力すればいいでしょう。
そうすると「空気清浄機」に関連するキーワードがズラッと表示されます。
とりあえず、すべてのキーワードをダウンロードしておきましょう。
Excelなどで編集したい場合は「CSVダウンロード」を、メモ帳などのテキストエディターで編集したい場合は「全キーワードコピー(重複除去)」をクリックして取得します。
言ってみればこれらすべてがロングテールキーワードなわけですが、ここから無作為に狙うのは効率がいいとは言えません。
ということで、もう少しだけ絞り込んでいきます。
サジェストキーワードを取得する
抽出された関連するキーワードの左上に表示されているグループが、サジェストキーワードと呼ばれるものです。
検索エンジンにキーワードを打ち込むと、その下に候補が一覧表示されますが、それらがサジェストキーワードです。
サジェストキーワードは、ロングテールキーワードの中でも検索ボリュームが大きいと考えられます。
そのためサジェストキーワードについては、必ず狙うようにしましょう。
先ほど取得したキーワード一覧の中からサジェストキーワードを探し、背景色をつけるなどして目立つようにしておくといいでしょう。
収益につながりそうなキーワードを洗い出す
サジェストの次に狙っていきたいのが、コンバージョンにつながりそうなキーワードです。
「コンバージョンにつながりそう」というのは、たとえば以下のようなものです。
- 商品の値段に関するキーワード(格安、価格 など)
- 商品の機能に関するキーワード(プラズマクラスター、オゾン、小さい、黒 など)
- 製品メーカーやブランド名に関するキーワード(シャープ、ダイキン、パナソニック など)
- 人気に関するキーワード(売れ筋、人気、おすすめ など)
- メリットやリスクに関するキーワード(アレルギー、赤ちゃん、におい など)
平たく言えば、「購入を検討している人(見込み客)が検索しそうなキーワード」ということになります。
ラッコキーワードで取得したキーワードから、該当するものをピックアップしていきましょう。
これらのキーワードで上位表示できれば、購買意欲が高いか、少なくとも商品のことが気になっている人にサイトを訪問してもらえる可能性が高まります。
そのため、サジェストの次は見込み客を狙ってキーワードを選ぶようにしましょう。
既存顧客向けのキーワードでブランディングを強化する
正直、ここまでで結構な数のキーワードを収集できるはずです。
そのため当面は、それらのキーワードを狙ってコツコツとコンテンツ(記事)を積み上げていくことになります。
それにも目途が立った場合には、次は既存顧客に向けたキーワードを狙ってみましょう。
- メンテナンスに関するキーワード(掃除、洗い方、修理、交換 など)
- 使い方に関するキーワード(つけっぱなし、置く場所、寝るとき など)
- 買い替えに関するキーワード(モデルチェンジ、捨て方、処分 など)
これらのキーワードは、直接的にコンバージョンにつながるわけではありません。
しかしコンテンツを充実させることで、サイト全体の評価が高まります。
そうなれば攻略が難しかった他のキーワードで上位表示できるようになったり、ユーザーから専門性の高いサイトとして認識されるようになるでしょう。
つまり、時間はかかるかもしれませんが、サイトや商品のブランディング強化につながるわけですね。
狙わなくていいキーワードもある
一方で、狙わなくてもいいキーワードもあります。
たとえば、特定のサイト名や自分の商圏ではない地域名が含まれるキーワードなどです。
これらのキーワードで上位表示できたとしても、そもそもユーザーの目的と違うため流入は発生しづらいです。
また、ちょっとした思い付きや好奇心が理由のキーワードも狙う必要はありません。
たとえば「空気清浄機 オナラ」というキーワードは、おそらく「空気清浄機ってオナラに反応するのかな?」と気になった人が検索すると想像できます。
仮にそういうキーワードで上位表示できたとしても、コンバージョンにはつながりにくいと考えられますよね。
百発百中を狙わずコツコツ積み上げる
以上、サイトのコンバージョン率を上げるための検索キーワードの収集方法についてでした。
キーワード選びで大切なのは、あまり考えすぎないことです。
SEM(検索エンジンマーケティング )では「これはイケる!」と意気込んでも空振りしたり、思いもよらないキーワードから流入が発生したりするのが普通です。
そのため一記事入魂するよりも、まずは淡々と積み上げることを意識しましょう。
そして手ごたえのあったキーワードを重点的に補強するなどして、長い目でサイトを育てていく考え方がおすすめです。